[2021_10_11_03]JR東日本変電所爆発火災事故と原発の心配 変電所火災はなぜ起きたか… 気になるのは10/7に発生した千葉県北西部地震 変電所で大規模火災というと2007年の東電柏崎刈羽原発3号機起動変圧器火災だ 古いケーブルを使っている美浜原発や東海第二原発では必ず停電が起きる 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ舎2021年10月11日)
 
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JR東日本変電所爆発火災事故と原発の心配 変電所火災はなぜ起きたか… 気になるのは10/7に発生した千葉県北西部地震 変電所で大規模火災というと2007年の東電柏崎刈羽原発3号機起動変圧器火災だ 古いケーブルを使っている美浜原発や東海第二原発では必ず停電が起きる 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 10月10日(日)午後0時55分頃、埼玉県蕨市にあるJR東日本の変電所で爆発と共に火災が発生、東京と埼玉を結ぶ埼京線などの他、山手線、常磐線も含む10路線が一時運転を停止する事態になり、東京東部から北部のJR鉄道網が大混乱に陥った。23万人以上に影響が出たという。
 火災の原因は未だ調査中だが、気になるのは、10月7日深夜に発生した地震だ。
 この地震の震源は千葉県北西部の地下約80キロだが、最大震度5強を記録したのは足立区や埼玉県宮代町などで、蕨市も震度5弱を記録している。
 このJR東日本の変電所でも大きな揺れがあったものと思われる。
 変電所火災を目撃した人によると、二・三度爆発が起き、黒煙と共に炎が立ち上ったという。
 燃えたのはトランス室という場所で、常時施錠されており、侵入された形跡はない。
 変電所で大規模火災というと直ぐに思い出したのが、東電柏崎刈羽原発3号機の起動変圧器火災だ。
 2007年7月の中越沖地震の際、地震発生直後に3号機建屋に隣接していた起動変圧器が爆発炎上し、その黒煙が遠くからも見えたため、地震と共に原発の火災事故が発生したことが住民にも広く知られ、大変な不安を持つことになった。
 この時は、地震の影響で電源ケーブルを通していた配管が破断し、さらに冷却用の油がアーク放電で発火したことが原因だった。
 蕨市のケーブル火災も、地震によりケーブル損傷が発生していて、それにともなう短絡やアーク放電が起きて冷却油が高温になり蒸発、それが引火爆発したのかもしれない。
 この場合、ケーブルの経年劣化も問題になる。
 柏崎刈羽原発の火災と同様に、地震による影響がこのような火災を引き起こす可能性は決して低くない。
 メカニズムは異なるが、2011年の東日本太平洋沖地震では、女川原発1号機のタービン建屋でも大規模な火災が発生していた。
 地震と同時に電源設備で火災になれば、外部電源を多重化して取り入れていても停電してしまうことになる。
 全電源喪失はこうしたところからも起こりえるのである。
 まして、古いケーブルを使っている美浜原発や東海第二原発では、必ず停電が起きると言っても過言ではない。
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