[2017_11_07_03]再処理工場 「もんじゅ」に続けて即刻廃止せよ 鎌田 慧(ルポライター)(東京新聞2017年11月7日)
 
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再処理工場 「もんじゅ」に続けて即刻廃止せよ 鎌田 慧(ルポライター)

 沖縄・辺野古の海に大量の砕石が投げ込まれるニュースをみた。この国は野蛮だと思う。県知事や県議会、市長、さらにほとんどの県民が反対しても、安倍政権は基地建設をやめようとしない。
 かたや本州北端の青森県六ケ所村。建設中の使用済み核燃料再処理工場は計画発表から33年たっても、試運転さえ成功していない。それでもまだやめるといわない。
 2万人の兵士を無謀な作戦の犠牲にしたインド攻略のインパール作戦や戦艦大和の沖縄への勝算なき出航。無責任、メンツだけ重んじて、人命など一顧だにしない日本帝国軍隊の粗暴な体質が、そのまま遺されている不安感がある。
 「日本原燃に再処理事業をやらせていいのかということじゃないか」と原子力規制庁の片岡洋・新基準適合性審査チーム長代理にいわしめたほど、事業主の日本原燃の管理はいいかげんで、「本当に約束したことを守れる組織であるかどうか、それがもう一つの課題」と原燃の副事業部長がいうほどだ(9月の審査会合議事録)。
 完成予定は23回も延期され、建設費は当初見積もりの4倍の2兆9000億円。長大な配管の腐食が激しい。原子力推進庁と揶揄されている規制庁でさえ匙(さじ)を投げたようで、もしも稼働したら、廃止費用をふくめてあと14兆円かかる。
 「もんじゅ」に続けて、即刻廃止せよ。
  (11月7日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)

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