[2011_09_09_01]「海底地滑り」評価されず 大間原発訴訟 函館地裁第3回弁論 原告、津波被害の恐れ指摘(東奥日報2011年9月9日)
 電源開発が大間町に建設中の大間原発をめぐり、函館市の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)などが、同社と国を相手に、建設差し止めなどを求めた訴訟の第3回口頭弁論が8日、函館地裁(蓮井俊治裁判長)であった。原告側は、津波を増幅させるという「海底地滑り」が、原発の津波評価に考慮されていない−などとして原発の危険性を主張。さらに、大間原発の裁判官立ち会いの下での現場検証を求めた。
 原告側は準備書面などで「電源開発の想定するプレート境界型地震発生の際でも、東日本大震災と同様、海底地滑りが発生する恐れがある」と主張。津波によってコンクリート造りの建屋が破壊され、原子炉容器などの健全性が保てなくなる可能性を指摘した。
 さらに、全炉心でMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料を使うことの危険性などにも触れた。一方、被告側は、原子炉設置許可や工事計画認可手続きの適法性を訴える準備書面を提出した。
 閉廷後、竹田代表は「福島(第1原発)と大間は違う−と被告側は言ってくるかもしれないが、私たちはもう信じない」などと支持者に呼び掛けた。
 原告側弁護団共同代表の河合弘之弁護士(東京)は、福島の事故を受け、原発に反対する弁護士団体を発足したことを報告。今後、全国の原発の運転差し止めを求める訴訟を起こす考えを示した。
 大間原発は函館市から最短23`。2014年の営業運転開始を目指すが、東京電力福島第1原発事故後、工事を中断している。
               (安達一将)
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