[2017_12_26_02]落日の原発 首都圏を恐怖にさらすポンコツ東海第二原発の再稼働を止めたい 鎌田慧(ルポライター)(東京新聞2017年12月26日)
 
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落日の原発 首都圏を恐怖にさらすポンコツ東海第二原発の再稼働を止めたい 鎌田慧(ルポライター)

 安倍政権は認めたがらないが、今年は原発行政終わりの始まりの年だった。夢の、とうたわれた「高速増殖炉もんじゅ」がなんの成果も上げないまま、あえない最後となって1年。今度は福井県の大飯原発1,2号機が廃炉、いよいよ日本も廃炉時代を迎える。
 福島第一原発事故の4基、さらに美浜2基、浜岡2基、敦賀、島根、玄海、伊方も1基ずつ廃炉になった。福島第二の4基の再稼働はとうていムリ。青森県の東北電1基、建設中の東電1基、電源開発の大間原発も見通しなし。
 六ケ所村の再処理工場は計画から30年、完成予定から20年たっても試運転さえ成功しない、歴史的遺物だ。「もんじゅ」の経費は1兆円だったが、再処理工場はたとえ稼働できてもこれから14兆円以上を空費する。
 おなじ敷地内にあるウラン濃縮工場、建設中のMOX工場も止まったまま。原発は黄昏(たそがれ)どころかつるべ落としの落日を告げ、時代は自然エネルギーへと急速にむかっている。先の衆院選でも、各党恐る恐るとはいえ、「脱原発」を公約に掲げざるをえなくなった。
 来年は首都圏を恐怖にさらすポンコツ東海原発の再稼働を止めたい。原発ゼロにむかいながら、国際的な恥辱といえる「核兵器禁止条約」からの日本の脱落を糾(ただ)し、人類の愚劣さでもある、米国と北朝鮮の核戦争の脅しあいを止めさせたい。
 (12月26日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)

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