[2018_03_19_02]<大間原発訴訟>「悔しくて悔しくて…」請求棄却で原告(毎日新聞2018年3月19日)
 
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<大間原発訴訟>「悔しくて悔しくて…」請求棄却で原告

 ◇建設の差し止めなどを求めた訴訟 函館地裁、原告の請求棄却
 Jパワー(電源開発)が青森県大間町に建設中の大間原発をめぐり、北海道函館市の市民団体らがJパワーと国に建設の差し止めなどを求めた訴訟。19日、函館地裁(浅岡千香子裁判長)は原告の請求を棄却した。判決後、原告らは「極めて不当だ」と憤った。竹田とし子代表は函館地裁の前で「悔しくて悔しくて仕方がない。あまりにも不当な判決だ。司法が力を発揮せず失望している」と嘆き、目に涙を浮かべた。大間町の熊谷厚子さん(63)は「まだ建設中のものだからこそ、今ここで見直して止めるべきではないのか」と憤った。
 記者会見した原告弁護団共同代表の河合弘之弁護士は「稼働の見通しが立っていないので判断せずとは、肩すかしをくらった印象だ。もっと丁寧に審理し、安全審査が終わってから判断すべきだったのではないか」と話した。
 一方、立地する大間町の金沢満春町長は19日、出張先の青森県むつ市で報道陣の取材に応じ「望んでいた結果になって良かった。司法においても問題なく進められるとの判断だ」と述べ、原発推進の考えを改めて強調。同町の団体職員の男性(34)は「日本のどこかに原発は建てなければならない。大間は仕事もないので電源開発に頼る部分が大きい」と話し、判決を評価した。
 ただ、事故への不安から「原発との共存共栄」の考えを変える町民も少なくない。60代の女性漁師は「町長らが推進しても大間の総意ではない。反対でも本音を声に出して言わないだけだ」と語った。【澤俊太郎、佐藤裕太、一宮俊介】

 ◇大間原発と訴訟の経過

2008年
      4月 国が大間原発の原子炉設置を許可
      5月 12年3月の運転開始を目指して着工
     11月 運転開始を14年11月に延期
  10年
      7月 大間原発訴訟の会が提訴
  11年
      3月 東日本大震災発生。工事中断
  12年
     10月 建設工事を再開
  14年
      4月 函館市が東京地裁に提訴
     12月 Jパワーが新規制基準の適合性審査を原子力規制委に申請
         運転開始時期を21年度ごろに延期
  16年
      9月 運転開始時期を24年度ごろに延期
  18年
      3月 函館地裁が請求棄却の判決

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