[2022_03_29_01]鹿児島県 川内原発 運転延長を検証 県の分科会が特別点検視察(鹿児島放送2022年3月29日)
 
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鹿児島県 川内原発 運転延長を検証 県の分科会が特別点検視察

 鹿児島県の川内原発の運転延長に関するニュースです。運転延長について議論する県の分科会が川内原発を視察しました。
 視察に訪れたのは塩田知事と川内原発の運転延長を議論する分科会のメンバー6人です。分科会は川内原発の安全性や避難計画などを検証する県の専門委員会に去年12月に設置され、塩田知事が任命した原子力政策に批判的とされる学識経験者らで構成されています。
 塩田知事「今後の具体的な検証に先立ち、2号機の特別点検実施状況を分科会に見てもらう」
 川内原発1号機は去年10月から、2号機は先月から運転延長の申請に必要な特別点検を始めています。
 メンバーらは1・2号機で進む特別点検について九州電力の担当者から説明を受けた後、2号機の建屋に移り、原子炉容器のデータの採取やその外側のコンクリート建造物のサンプルの採取について確認しました。今後、半年程度でデータの取得と評価が終わる予定で、九電は特別点検の結果を踏まえて運転延長の申請を行うか判断するとしています。
 分科会座長の釜江克宏・京大特任教授「きょうは特別点検とはいっても目の前で見られなかったが、今後データを見ていく中で、きょうの経験は非常に有意義だった」
 塩田知事「委員のみなさんに現場を見ていただくことで理解を深めていただけ。特別点検も途中であり、その後の評価など含め、委員の先生方にしっかり議論をしていただきたい」 29日に川内原発を視察したのは県原子力専門委員会の分科会のメンバーです。分科会は川内原発の安全性を話し合う専門委員会に設置されたもので運転延長について集中的に検証します。
 委員は大学の教授や元東芝の原発設計技術者ら7人で、特別委員として委嘱された材料工学や建築構造・材料学の分野の専門家4人と専門委員会の委員3人で構成されています。
 県は、分科会には原子力政策に批判的な専門家も複数含まれていると説明しています。人選をめぐっては反原発を訴える市民団体などから批判的な委員が少ないと指摘を受け、委員の追加を検討していましたがこの要望を受けた追加はされませんでした。
 今後の進め方です。分科会では運転開始から30年が経過した際に行った高経年化技術評価や特別点検の結果を検証し、九州電力が運転延長を申請した場合、原子力規制委員会が判断する前に検証結果を示すとしています。
 川内原発1・2号機は2024年7月、2025年11月にそれぞれ運転期限を迎えます。延長には期限の1年前までに規制委員会への申請が必要で1号機の延長申請の期限は来年に迫っています。分科会の今後の議論の行方が注目されます。
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