[2023_10_21_04]【川内原発運転延長問題】県民投票に否定的な知事、条例案審議に影響も それでも市民団体は「信じている」(南日本新聞2023年10月21日)
 
参照元
【川内原発運転延長問題】県民投票に否定的な知事、条例案審議に影響も それでも市民団体は「信じている」

 11:41
 鹿児島県の塩田康一知事は20日の定例会見で、九州電力川内原発運転延長の是非を問う県民投票について否定的な考えをにじませた。条例制定案に付ける知事意見は県議会の党や会派を問わず注目され、23日から始まる臨時会の審議に影響を及ぼす可能性がある。市民団体は「まだ決定ではない」と望みを口にした。
 運転延長に関する県民投票は、塩田知事が2020年の知事選立候補の際に「必要に応じて実施する」とマニフェスト(政策綱領)に掲げ、関心が高まった。だが23年5月、県原子力専門委員会の意見が集約されたなどとして県民投票を見送る方針を表明した。
 直後に市民団体による署名集めが始まった。必要数を大きく上回る約4万6000票が集まり、再び県民投票が議論のテーマに上った。
 県議会では最大会派の自民など原発推進派の議員が過半数を占め、可決のハードルは高い。ただ4万を超える有効署名数が判明した8月以降、自民からも可否判断を担う立場への重圧や戸惑いが聞かれた。
 10月4日の市民団体による本請求直後、ある自民議員は「賛否を明確にしない玉虫色の知事意見」を警戒。「元は知事がふたを開けた話。議会に責任を丸投げすることだけは避けるべきだ」と注文した。
 他の党や会派でも知事意見が審議を左右するとの見方が目立った。野党系議員は9月定例会で「知事が条例案に賛成すれば、自民も簡単に反対できないはず」と塩田知事に前向きな意見を付けるよう求めた。
 臨時会直前に賛意を示さない方針を固めた知事意見。条例案に賛成する考えの議員は「自民にも配慮し、否決しやすい言葉を用いるのだろう。裏切られたと思う有権者も少なくないのでは」と解説してみせた。
 「川内原発20年延長を問う県民投票の会」の向原祥隆事務局長は「知事が正式に意見を述べるまでは条例案に賛成してくれると信じている」と強調した。
KEY_WORD:SENDAI_: