[2021_11_05_04]島根原発安全協定で中電「立ち入り調査権」鳥取県にも 周辺自治体で全国初(日本海新聞2021年11月5日)
 
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島根原発安全協定で中電「立ち入り調査権」鳥取県にも 周辺自治体で全国初

 中国電力島根原発(島根県松江市鹿島町)を巡り、同社と鳥取県、境港、米子両市が締結している原子力安全協定の改定に向けた協議が4日、オンラインで行われた。中電は立地自治体(島根県、松江市)のみ認めている事故時などの原発への「立ち入り調査権」について、協定を改定し鳥取県も対象にすると文書で回答した。立ち入り調査権を周辺自治体にも認めるのは、全国で初めて。
 一方、原発再稼働など原子炉施設の重要な変更に関する「事前了解権」を認めるかどうかは、「社内検討を進めている」とし、回答を持ち越した。事前了解権の行方は今回の改定協議で最大の焦点となっている。
 立地と周辺自治体の安全協定で異なる4項目のうち、2項目について中電が方針を提示。従来は事故時などに「現地確認」できるとしていた文言を、立地自治体と同様に「立ち入り調査」に改定する意向を示した。
 中電は回答文書で、原子力災害対策特別措置法では立地自治体だけでなく周辺都道府県にも事故時などの「立ち入り検査」の権限が認められていると指摘。同法の規定にならい鳥取県との協定の文言を「立ち入り調査」に改定する一方、基礎自治体の境港、米子両市は「発電所に立ち入り、確認いただく」との表現にとどめた。
 中電は核燃料物質などの輸送に関する事前連絡についても「連絡できないものを除く」との条件を撤廃し、立地自治体と同様の対応をすると明らかにした。
 同社島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は「残りの項目も検討を進めており、内容がまとまれば改めて提案する」と述べた。県に恒常的に拠出する原子力防災対策費の額について中電側は、これまでの実績を目安に検討している考えを示した。県危機管理局の水中進一局長は「ようやく具体的な回答を得られた。残りの項目もしっかりと検討してもらいたい」と話した。
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