[2023_01_31_01]高浜原発4号機 原子炉自動停止 関西電力が県の委員会で謝罪(NHK2023年1月31日)
 
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高浜原発4号機 原子炉自動停止 関西電力が県の委員会で謝罪

 関西電力の高浜原子力発電所4号機で30日に異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止したトラブルについて、関西電力は31日に開かれた県の原子力安全専門委員会で謝罪したうえで、原因究明を急ぐ考えを示しました。
 30日午後3時20分ごろ、高浜町にある運転中の関西電力高浜原発4号機で、核分裂の状態を示す中性子の量が急激に減少したという異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止しました。
 これまでのところ周辺の放射線量を測るモニタリングポストの値に異常はないということです。
 こうした中、原子力の専門家でつくる県の原子力安全専門委員会が31日に県庁で開かれ、冒頭、関西電力の担当者が「県民の皆さまに不安を与えるトラブルを起こしてしまい非常に申し訳ございません」と謝罪しました。
 そのうえで、原子炉が自動停止した原因について、原子炉の出力を制御する制御棒と呼ばれる装置が何らかの原因で落下したか中性子を検出する機器の異常といった可能性が指摘されているものの、関西電力側は「予断を持たずに原因究明を進めたい」と答えるにとどめ、原子炉の冷却が進む31日夜以降、本格的に調査する考えを改めて示しました。
 委員会の終了後、報道各社の取材に応じた鞍谷文保委員長は「現時点で原因がまだわかっていないが、自動停止があったことは重大だと思っている。長期運転が要因なのかそうではないのかなど、今後、委員会での説明を通して明確にしてほしい」と関西電力に求めました。

 関西電力の森社長は31日の決算会見で「地域や社会の皆さまにご心配をおかけしていることをおわびします」と謝罪したうえで、「今後しっかりと原因を特定して必要な対策をおこなっていきたい」と述べました。
 また、このトラブルによる電力需給への影響について問われたのに対し、森社長は「高浜原発4号機の供給力がなくなったことで、たちまち緊急的な状況になるということはない。火力発電や水力発電といった電源もあり、安定的に稼働させることで供給力を確保するとともに、需要面では節電のお願いをしているので、受給のバランスを見ながら対応していきたい」と述べ、電力の安定供給に努める考えを強調しました。

 西村経済産業大臣は31日の閣議のあとの会見で、「原子炉の冷却は正常に行われ、周辺環境への放射能の影響はないと聞いている。また、現時点で西日本エリアの電力の安定供給に支障はないと承知している」と述べました。
 そのうえで関西電力に対しては「現在、原因を調査中だと聞いている」とした上で、原因の究明と再発防止を求めました。
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