[2019_02_27_01]原子力機構 核燃サイクル放射性物質漏えい 汚染データ一部破棄 作業省略、違反指摘(茨城新聞2019年2月27日)
 
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原子力機構 核燃サイクル放射性物質漏えい 汚染データ一部破棄 作業省略、違反指摘

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)核燃料サイクル工学研究所(茨城県東海村村松)の施設で1月、核燃料物質が漏れた問題で、原子力機構が作業員の汚染を測定したデータの一部を破棄していたことが26日、明らかになった。原子力規制委員会の会合の中で原子力機構が説明した。規制委は、作業員が一部の作業手順を省いたことを保安規定違反の疑いがあると指摘。今後これらの問題を詳細に確認する方針を示した。
 原子力機構によると、当時、作業員の防護服や帽子などを測定し、放射性物質を検出したが、数値などデータが記されたメモの一部は、責任者がまとめた後に破棄された。
 このため規制委は「データがなければ汚染がないと保証はできない」として、原子力機構が「皮膚汚染がない」と説明していることを批判した。
 また、作業員が核燃料物質入り貯蔵容器を包んだ樹脂製の袋を、手順通り汚染検査しなかったことについて、規制委は保安規定違反の疑いがあると指摘。原子力機構は「明らかに手順は守っていなかった」と事実上認めた。
 会合で、規制委担当者からは「マニュアル通り行っていないことが多い。本当にプロの仕事なのか」などと批判が相次ぎ、田中知委員も「今回の作業や対応は、大洗の被ばく事故を経てもなおずさんとしか言いようがない」と述べた。
 漏えいは1月30日、「プルトニウム燃料第二開発室」粉末調整室で、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料入りの貯蔵容器をグローブボックスから取り出した際、漏えいを検知する警報が鳴った。(高岡健作)

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