[2019_09_28_15]東海・JCO臨界事故20年 山田村長が訓話「風化させず語り継ぐ」(茨城新聞2019年9月28日)
 
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東海・JCO臨界事故20年 山田村長が訓話「風化させず語り継ぐ」

 東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故から30日で20年となるのを前に、同村の山田修村長は27日、村職員を前に訓話し、「原子力事業者には組織全体の危機管理能力を高めていくことを強く求めていきたい」と述べた。
 訓話は村役場で行われ、部課長職員38人が出席。様子は動画撮影し、全職員が目にできるようにした。
 冒頭、事故で亡くなった作業員2人に黙とうをささげた。山田村長は「事故を風化させることなく後世に語り継ぐことが使命」と強調。役場内で事故を経験した村職員は約3割にとどまることから、「肌感覚として知見や経験値を伝承していくことは容易なものではないが、原子力防災を常に意識していくことを職員は肝に銘じてほしい」と呼び掛けた。
 また、東京電力福島第1原発事故はじめ、依然として原子力関連事業所での事故やトラブルが相次ぐ現状に触れ、「起きた事故には対策は講じられているが、事故を未然に防ぐには最終的には作業現場に携わる人たちの安全意識や対応力が欠かせない」と指摘した。
 訓話後の記者会見で山田村長は、原子力事業者に対して「何かおかしいと思ったら立ち止まる勇気があるかどうか。現場の判断が一番尊重される組織風土を持ってもらいたい」と強調した。
 事故は1999年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、住民約660人も被ばくした。(斉藤明成)
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