[2019_03_04_02]東海第2原発、安全対策費3000億円 想定の約2倍(毎日新聞2019年3月4日)
 
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東海第2原発、安全対策費3000億円 想定の約2倍

 日本原子力発電が再稼働を目指す東海第2原発(茨城県東海村、110万キロワット)を巡り、電力各社と大手銀行による資金支援計画案が4日、判明した。安全対策費が従来想定(1740億円)の2倍近い3000億円規模に膨らむ見通しで、同原発から電気を購入する東京電力ホールディングス(HD)が6割超の約1900億円を融資・債務保証する。東北、関西、中部、北陸の各電力も支援に加わる。
 計画案では2023年の再稼働を想定しているが、再稼働に必要な周辺自治体の了解を得るメドは立っていない。合意が得られず廃炉になれば、東電HDなどは巨額の損失を被る可能性がある。同社は11年の福島第1原発事故後、実質国有化されており、原電支援の中核となることへの批判も出そうだ。
 計画案によると、再稼働前の22年末までに必要な支援額は約1200億円。東海第2原発からの受電割合に沿って、東電HDが8割の約960億円、東北電が2割の約240億円を負担する。東電HDは大手行から借り入れた資金を原電に融資する。東北電は手持ち資金を貸し出すか、原電に債務保証するかを検討している。
 再稼働後の23年以降に必要な支援額は約1800億円。日本政策投資銀行や大手行などが連携して原電に直接貸し付ける。これらの債務について、東電HDが約960億円、東北電が約240億円を債務保証する方向だ。
 関西、中部、北陸の各電力は、原電の敦賀原発2号機(福井県、停止中)から電力供給を受けていた経緯から、総額約600億円の債務保証を検討する。ただ、今回の支援対象の東海第2からは電力供給を受けておらず、株主らの反発を招く可能性もある。【袴田貴行、土屋渓】

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