[2019_04_26_02]テロ対策施設は方便でない、との規制委員会に衝撃 東海第二原発再稼働、20年運転延長の怪! 闇がこの騒ぎで照らしだされた 日本原電への資金提供、債務保証は背任行為、商法違反だ 東海第二原発の重大過酷事故発生の危険性は幾何級数的に高まる 村上達也(元東海村村長)(たんぽぽ舎2019年4月26日)
 
参照元
テロ対策施設は方便でない、との規制委員会に衝撃 東海第二原発再稼働、20年運転延長の怪! 闇がこの騒ぎで照らしだされた 日本原電への資金提供、債務保証は背任行為、商法違反だ 東海第二原発の重大過酷事故発生の危険性は幾何級数的に高まる 村上達也(元東海村村長)

◎ 4月24日、原子力規制委員会はテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)について設置期限が間に合わない原発の運転停止を求める方針を確認した。
 これを受け規制委のお目こぼしで当該施設未設置のまま稼働させていた九州、関西、四国の3電力会社は狼狽し、経済産業省は「唐突感がある」とのたまわったとの新聞報道があった。
 テロ対策施設は元々「新規制基準導入から5年以内(2018年7月まで)」に造るべきものを「審査終了後5年以内」に、と骨抜きされた経緯がある。それを更に特段のご配慮を、というのだから開いた口が塞がらない。これが原子力界、電力業界の本性だ。福島第一原発災害についての反省どころか記憶もないということだろう。

◎ 首都圏唯一の日本原電・東海第二発電所の闇は、この騒ぎ一件で照らしだされた。日本原電は規制基準適合対応には当初780億円の投資でできるとのたまわっていた。
 だが、規制委員会審査が進む中で1740億円と増額訂正し(原因は防潮堤の基盤工事費増か)、更に東電他の出資電力会社に資金支援を仰ぐ段になって3000億円と増額してきている。
 私に言わせれば、「なんとデタラメな、この会社に経営能力あるのか、原発など危険なものを扱わせていいのか」ということだ。

◎ ところで、この日本原電という会社は2011年3月11日で死んでいる
会社、今あるのはゾンビであると思っている。敦賀第一は廃炉、敦賀第二は活断層があって再稼働の望みなし、東海第二も地震と津波で被災という次第で震災以後今日まで1wの発電、売電もしていない。だが不可思議にも毎年1000億円以上の「売上金」を計上し存続している。
 東電他6社で設立した会社であるから非常時に出資会社の支援があるのは了解するにしても、「売上金」との会計処理は解せない。
 東電等はこれまでに9000億円以上の支援をしてきている筈だが、どういう会計処理をしているのか甚だ疑問だ。更には原電は敦賀に3号機、4号機の建設工事を進め2000億円近くを投じていたが完成の目途はなく不良債権化している。実質債務超過、破たん企業である。

◎ このような会社に、規制基準クリアのためと東電は1900億円、他電力5社が1100億円を拠出や債務保証をすることができるのだろうか。不良債権化することは明らかである。ということは、資金拠出、債務保証を採決した役員の責任が問われることになる。
 私の前歴は、銀行で貸し出し審査を長くやっていたが、そこで教えられた事は「明らかに回収不能と思われる融資は背任行為」ということだった。
 原子力界、電力業界は魑魅魍魎の世界だとしても、日本原電への資金提供、債務保証は背任行為、商法違反だと問われてしかるべきである。
 更に付言すれば死に体、ゾンビの経営する会社の安全操業には信が置けない。貧すれば鈍するだ、重大過酷事故発生の危険性は幾何級数的に高まると思えてならない。

KEY_WORD:TOUKAI_GEN2_:FUKU1_:TSURUGA_:TSUNAMI_: