[2021_02_09_05]未着工の原発新増設計画 東電東通など7基維持 東北電東通は「未定」(東奥日報2021年2月9日)
 
 東京電力福島第1原発事故前に、電力各社が国に届け出た「供給計画」に新増設が盛り込まれていたものの、着工していない全国6県の8原発11基のうち、5県の5原発7基で計画が維持されていることが、電力各社への取材で8日、分かった。取り下げたの福島県内の3基のみだった。
 事故後、政府の新増設方針は定まらず、各社は計画を事実上凍結してきた。ただ菅義偉首相が昨年10月、50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすると表明したことで、業界や自民党内に新増設解禁を模索する動きが出始めている。首相は「新増設は現時点では想定していない」とするが、現在行われている国のエネルギー基本計画の改定論議や、世論の動向次第で、これらの新増設計画が再び動きだす可能性もある。
 5原発7基は東電東通2号機(東通村)、中部電力浜岡6号機(静岡県)、日本原子力発電敦賀3、4号機(福井県)、中国電力上関1、2号機(山口県)、九州電力川内3号機(鹿児島県)。
 一方、福島第1の7、8号機と東北電浪江・小高の2原発3基(いずれも福島県)については両社が計画を取り下げたほか、東北電は自社の東通2号機(東通村)について。「未定」と回答。東日本大震災による被害の大きかった東北地方で慎重な姿勢が見られた。
 供給計画には入っていないが、関西電力が立地に向けた調査を進めていた美浜原発(福井県)のリプレース(建て替え)に関し、関電は「震災以降、調査を見合わせている」とし、計画は未定だと回答した。
 また、新増設の要否を尋ねたところ、関電、中国電、九電、原電、電源開発の5社が「必要」と回答。「実用段階にある脱炭素化の選択肢として重要なオブション」(中国電)、「重要なベースロード電源」(九電)などの理由が目立った。北海道電、東北電、東電、北陸電、中部電、四国電の6社は要否の明言を避けたものの、そろって原発の必要性を訴えた。
 事故前に運転していて新規制基準に基づく審査を申請しておらず。廃炉決定もしていない東北電女川3号機(宮城県)、中部電浜岡5号機、北陸電志賀1号機(石川県)について3社は審査を申請するとした。柏崎刈羽1〜5号機(新潟県)を巡り、東電は地元の桜井雅浩柏崎市長に「6、7号機の再稼働後5年以内に、1基以上の廃炉も想定したステップを踏む」との方針を示している。
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