【記事93680】伊方原発3号機の運転差し止め仮処分(広島高裁)−住民側勝利 地震が起きなくてもいつ事故になるかわからない 労働者・市民の力で原発を廃炉に 名出真一(伊方から原発をなくす会)(たんぽぽ舎2020年1月17日)
 
参照元
伊方原発3号機の運転差し止め仮処分(広島高裁)−住民側勝利 地震が起きなくてもいつ事故になるかわからない 労働者・市民の力で原発を廃炉に 名出真一(伊方から原発をなくす会)

◎ 伊方原発3号機の運転差し止め仮処分即時抗告審において広島高裁で住民側が勝利しました。
 決定では地震の影響、火山の影響の両方を認めたものでした。
 伊方原発は現在定期点検中ですでに停止中です。
 この決定によって3月29日に予定していた再稼働はできなくなりました。

◎ この決定は私たちにとっては当たり前の決定です。四国電力は昨年、高圧注入ポンプから普段より多いミストが発生。その原因がわからないまま運転継続。「特重」施設建設現場で荷物落下。そして定期点検中、燃料棒と一緒に制御棒を抜き取ってそのまま7時間放置するという前代未聞のトラブルを起こしています。

◎ 福島第一原発事故の後、四国電力は、「伊方では電源がなくなれば制御棒は自然に落ちるから問題ない」と豪語していました。
 にも関わらずわざわざ制御棒を抜くなど冗談にもなりません。
 地震が起きなくてもいつ事故になるかわからない。
 こんな恐怖をいつまで地元住民に与え続けるのでしょうか。
 今回の裁判結果を活かして労働者市民の力で原発を廃炉に追い込むことが必要です。
 是非全国のみなさんからこのまま廃炉にするよう抗議、要請をお願いいたします。

☆関連報道1

伊方原発、運転差し止め 広島高裁仮処分 地裁支部決定を取り消し
原発の沖合600mにある中央構造線も活断層の可能性がある
地震が起きた場合は伊方原発に四電が想定する
2〜3倍の揺れが生じるとの意見書

           (1月17日14時24分「毎日新聞」より抜粋)
 詳しくはこちらを
https://mainichi.jp/articles/20200117/k00/00m/040/139000c

 山口県東部の住民3人が、四国電力伊方原発3号機(出力89万キロワット、愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審が17日、広島高裁であった。
 森一岳裁判長は申し立てを却下した2019年3月の山口地裁岩国支部の決定を取り消し、四電(高松市)に運転差し止めを命じる決定を出した。2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降、司法による運転差し止めの判断は5例目。
 伊方原発3号機は、福島第一原発事故を受けて停止したが、原子力規制委員会による新規制基準の安全審査に合格し、2016年8月に再稼働した。現在は2019年12月からの定期検査で停止している。仮処分はただちに効力が生じるため、四電は決定の取り消しを求める保全異議と仮処分の執行停止を高裁に申し立てる方針だが、4月27日に予定されている営業運転の再開は微妙な情勢となった。
 原告は、原子力災害対策指針などで避難計画の策定が義務付けられていない原発から30〜40キロ圏にある島しょ部の住民。
 岩国支部への仮処分申請で住民側は、伊方原発周辺の海底に延びる中央構造線が活断層であると主張。地震による被害や阿蘇カルデラが噴火した場合は火砕流が到達する危険性があると訴えたが、同支部は2019年3月、四電の対策が過小とは言えないなどとして申請を却下した。
 即時抗告審で四電は、伊方原発周辺の中央構造線が活断層ではなく、海上音波探査によって最も近い活断層も伊方原発の沖合8キロ地点にあると確認されていると主張。
 住民側は原発の沖合600メートルにある中央構造線も活断層の可能性があるとし、地震が起きた場合は伊方原発に四電が想定する2〜3倍の揺れが生じるとの意見書を、高裁の求めに応じて提出していた。
                        (後略)

☆関連報道2
伊方原発3号機、運転差し止め命じる 広島高裁決定
           (1月17日14:08「日本経済新聞」)
 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)から50キロ圏内に住む山口県東部の島の住民3人が、四国電に運転禁止を求めた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(森一岳裁判長)は17日、運転の差し止めを認める決定をした。
 仮処分はすぐに効力が生じる。伊方3号機は現在、定期検査のため停止中で、四国電は4月に運転再開を予定していた。
 住民側は、約130キロ離れた熊本県の阿蘇山が噴火するリスクや、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)に関する四国電などの評価が合理性に欠けると主張。
 四国電側は「安全性は確保されている」として、仮処分申請の却下を求めていた。
 2019年3月の山口地裁岩国支部決定は「巨大噴火が起きる可能性は小さい」などとして申し立てを退け、住民側が即時抗告した。
 伊方3号機を巡っては2017年12月、広島高裁が仮処分決定で運転差し止めを命令。2018年9月の異議審決定で同高裁が一転して運転を認め、同年10月に再稼働した。
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