【記事26922】福島原子力事故調査報告書(中間報告書)_津波評価について(東京電力株式会社2011年12月2日)
 
参照元
福島原子力事故調査報告書(中間報告書)_津波評価について

※引用者注:以下は参照元PDFファイルP.18の抜粋である。
(前略)
3.4 津波評価について

(1)津波高さの評価について

・福島第一原子力発電所の各号機は昭和41年〜昭和47年に設置許可を取得している。当初、津波に関する明確な基準はなく、既知の津波痕跡を基に設計を進めていた。具体的には、小名浜港で観測された既往最大の潮位として昭和35年のチリ地震津波による潮位を設計条件として定めた。(O.P.+3.122m)

・昭和45年に「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(以下、安全設計審査指針という)が策定され、考慮すべき自然条件として津波が挙げられており、過去の記録を参照して予測される自然条件のうち最も過酷と思われる自然力に耐えることが求められている。同指針を踏まえた国の審査においても、チリ地震津波による潮位により「安全性は十分確保し得るものと認める」として設置許可を取得している。設置許可に記載されているこの津波高さについては、現状でも変更されていない。しかしながら、実際には以下に述べるような様々な機会をとらえて津波評価を行うとともに、その対策も含めた内容を国へ報告している。その意味では、その結果に基づき必要な対応をしており、それらの評価が実質的な設計条件となっている。

・平成5年10月、国から、北海道南西沖地震津波を踏まえ、最新の安全審査における津波安全性評価内容を基に、改めて既設発電所の津波に対する安全性評価を実施するよう指示があった。これを受けて、平成6年3月、福島第一及び福島第二原子力発電所の津波に対する安全性評価結果報告書を国へ提出した。

・報告書の主な内容は以下の通りである。
@発電所周辺に影響を及ぼした可能性のある既往津波を文献調査により抽出したこと
A簡易予測式により発電所における津波水位を予測したこと
B簡易予測式による津波水位が相対的に大きい津波について数値解析をおこなった結果、福島第一及び福島第二原子力発電所における歴史上最大の津波は昭和35年に発生したチリ津波であり、慶長三陸津波(1611年)よりも大きかったこと
C津波による水位の上昇、下降に対する発電所の安全性は確保されていること
 なお、文献調査から「阿部壽らの論文(1990)」等を踏まえ、貞観津波(869年)は慶長三陸津波(1611年)を上回らなかったと考えられることも記載している。

・また、平成6年3月に国へ報告した後、当時非公開で実施されていた通商産業省原子力発電技術顧問会が同年6月に開催され、当社が報告した内容が了承された旨、口頭で連絡を受けている。

(後略)

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