1883年の巨大噴火の世界的な影響(講演資料#63/84)
 
【島村】1883年の巨大噴火は気候の変動をもたらします。北半球全体の気温が0.5−0.8℃低下しました。それくらいの温度低下でも大変な影響を与えます。その結果、数年間、世界各地で冷害と不作となります。ビショップの環という自然現象が見えました。太陽の周りに傘がかかる現象です。数年間、世界中で、異様な赤い夕焼けが観測されました。1893年にノルウェーで描かれたムンクの「叫び」は、1883年の噴火から10年経ったころ描かれたことになります。その当時、ムンクが実際に見た光景から影響を受けて、「叫び」を描いたのではという学説があります。