【記事72410】元福島知事「検察に抹殺」 京都で共謀罪の危険性語る(京都新聞2018年7月28日)
 
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元福島知事「検察に抹殺」 京都で共謀罪の危険性語る

 国の原子力政策に批判的だった元福島県知事の佐藤栄佐久氏が28日、京都市南区の龍谷大アバンティ響都ホールで講演した。自らが逮捕された経緯をまとめた映画「『知事抹殺』の真実」の上映や、三宅弘関東弁護士会連合会理事長との対談などで、国家権力による捜査の恐ろしさや共謀罪の危険性について話し合った。
 自由と平和のための京大有志の会などが主催した。佐藤氏は自民党参院議員を経て、1988年に知事に就任。東京電力の原発検査記録改ざん問題などを受け、プルサーマル計画を拒否するなど原発政策に否定的なスタンスを取っていた2006年、官製談合事件で辞任、逮捕された。12年、有罪が確定したが、冤罪(えんざい)を主張している。
 佐藤氏は、取り調べの過程で検事が「なぜ原発に反対するのか。知事は日本によろしくない。いずれ抹殺する」などと発言したことや、有罪となったものの控訴審で収賄額が0円と認定されたことなどを説明。「検察やマスコミにより、あっというまに逮捕される状況がつくられ、裁判ではどうにもならなかった」と事件を振り返った。
 三宅弁護士は「知事が辞任しなければ、福島の原発も津波対策がされたはず」と東日本大震災の原発事故を防げたとの認識を示し、「佐藤氏には自分にやましいところはないと各地で訴え、日本の在り方に警鐘を鳴らしてほしい」と述べた。

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