【記事69590】「どこかで間違っていた」=津波現場責任者が証言―東電旧経営陣公判・東京地裁(時事通信2018年4月24日)
 
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「どこかで間違っていた」=津波現場責任者が証言―東電旧経営陣公判・東京地裁

 東京電力福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元会長勝俣恒久被告(78)ら旧経営陣3人の公判が24日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。
 事故前に東電で津波対策部門の現場責任者を務めた元社員が出廷し、「どこかで間違っていたから事故は起きた」と証言した。
 元社員は「土木調査グループ」の責任者で、政府機関の長期評価に基づき、原子炉建屋など(海抜約10メートル)に到来が予想される津波の高さについて、最大15.7メートルに達するとの試算を担当した。
 証言によると、2008年6月、元社員が原子力・立地副本部長だった元副社長武藤栄被告(67)に試算を伝えると、元副社長は驚いた様子で、防潮堤設置に必要な許認可を調べるよう指示。しかし翌月、元副社長は津波を起こす地震想定について、「信頼性を第三者にみてもらった方がよい」とし、対策を保留する方針に転換した。
 3被告が出席した09年2月の会議では、原子力担当部長だった吉田昌郎・元同原発所長(故人)が対策推進を進言したが、前提となる津波の高さも決まらなかったという。

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