【記事53120】<原発避難者訴訟>国と東電が控訴 「津波予見できた」不服(毎日新聞2017年3月30日)
 
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<原発避難者訴訟>国と東電が控訴 「津波予見できた」不服

 東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県などに避難した人ら137人が国と東電に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、国と東電は30日、「巨大津波を予見できた」と認定し国や東電の責任を認めた前橋地裁判決(17日)を不服として、それぞれ東京高裁に控訴した。
 地裁判決は、政府の地震調査研究推進本部が2002年、福島沖でも巨大な津波地震が起き得ると指摘した「長期評価」を公表したことなどから、東電は巨大津波を予見できたと指摘。また、国が津波対策を命じなかったことも違法とした。
 国側の原子力規制庁は控訴理由を「長期評価を踏まえても、事故前には国が事業者に津波対策を義務づけるような、確立した科学的知見がなかった」などと説明。東電は「総合的に判断した」とコメントした。
 この判決を巡っては、原告側も一部が「認定された慰謝料が低い」などとして控訴する方針。【柳楽未来、尾崎修二】

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