【記事80700】避難バス台数把握へ調査 東海第二、住民説明会でひたちなか市(東京新聞2019年2月8日)
 
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避難バス台数把握へ調査 東海第二、住民説明会でひたちなか市

 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発で放射能が漏れる深刻な事故に備え、三十キロ圏のひたちなか市は、避難に必要なバスの台数を把握するため、市民にアンケートをする。六日夜に開かれた避難計画案についての住民説明会で明らかにした。説明会では、住民から「実効性ある計画ができないなら、はっきり言って」などの意見が出た。(山下葉月)
 避難用のバスについての住民アンケートは、三十キロ圏十四自治体のうち、東海村、日立市に続き三例目。ひたちなか市は四月以降に調査し、避難計画案に反映させたいとしている。
 計画案によると、約十五万七千人のうち、十四万三千人が土浦市や稲敷市など県内の十四市町村へ、残る一万四千人が千葉県へ、原則マイカーで避難。マイカーを持っていない人や、自力で避難できない高齢者や障害者はバスで逃げることになっている。
 市生活安全課によると、アンケートは市内に住む三千人が対象。市指定の避難先に向かうかやバスでの避難を希望するかどうかなどを盛り込む。郵送形式で十問程度を質問する予定だ。
 これとは別に、原発から五キロ圏で、高齢者や障害者ら避難に支援が必要な人を対象にした実態把握調査も視野に入れている。
 六日の住民説明会には約五十人が参加。質疑で住民からは「実効性のある計画ができないならはっきり言ってほしい」と要望があり、市の担当者は「意見として受け止める」とした。
 また、「市内の企業に勤める人の対応はどうするのか」との質問に対し、市側は「そこまで(想定は)進んでいない」と説明した。
 元民生委員の和田泰男さん(74)は「原子力災害の問題は、広く市民に伝えるべきだ。今回の説明会で出た声を、広報紙に載せて共有してもよいのでは」と話した。
 市は計画の策定時期は未定としている。説明会は二十四日まで計十一回開かれる。

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