【記事76580】東海第二原発 最長20年運転延長の見通し 周辺自治体了解焦点(NHK2018年11月8日)
 
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東海第二原発 最長20年運転延長の見通し 周辺自治体了解焦点

 茨城県にある東海第二原子力発電所は、7日にも最長20年の運転延長が認められる見通しで、今後は、周辺自治体から再稼働の事前了解が得られるかが焦点となります。事業者の日本原子力発電は、原発周辺の自治体にも事前了解の対象を拡大した全国初の協定を結んでいて、NHKが入手した報告書からは日本原電が当初、「ほかの電力会社の理解が得られない」などと協定を結ぶことを拒み、原発があるほかの地域に同じような協定が広がることを懸念していたことが分かりました。
 東海第二原発は、7日にも運転期間を最長で20年延長することが国から認められる見通しで、今後は、6つの周辺自治体から再稼働の事前了解が得られるかが焦点となります。
 全国各地の原発はこれまで、再稼働の前提として立地している自治体の事前了解が必要でした。こうした中、日本原電はことし3月、原発の立地自治体の東海村だけでなく、周辺の5つの市にも「実質的な事前了解」の対象を拡大した全国で初めての協定を結びました。NHKは情報公開請求で、協定締結までの日本原電と自治体との非公開の会合の報告書を入手しました。
 このうち、おととし12月の会合で事前了解を求める自治体に対して日本原電は、「株主である大手電力会社などから理解を得ることは難しい」とか「原電1社では判断できない」と述べ、株主の9割を占める電力各社に配慮して協定を結ぶことを拒み、原発があるほかの地域に同じような協定が広がることを懸念していたことが分かりました。
 ところが去年11月の会合で、日本原電は「ほかの地域に対しては、東海特有のものとして新協定を結ぶものと説明する」と述べ、新たな協定は、従来の協定の見直しではなく、原発周辺に多くの人口を抱える東海第二原発の事情によるものと強調していました。
 日本原電は、「非公開の議論についてコメントできない」としたうえで「従来の協定を見直すことでほかの電力会社に対して『同様の協定を結ぶべきだ』という声があがり、混乱が起きることを懸念していた」としています。
 ただ、この協定が結ばれたあと、島根原発の周辺自治体が中国電力に対し同様の協定を結ぶよう求めるなど各地で動きが出ていて、電力各社がどう対応するのか注目されています。

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