【記事09986】西日本に大地震と津浪 和歌山 高知 被害は甚大(朝日新聞1946年12月22日)
 
※以下は地震関連の見出しと重要と思われる部分をテキスト化したものである

○西日本に大地震と津浪 和歌山 高知 被害は甚大 昨朝四時二十分 震源地は熊野灘
 【大阪発】二十一日早???、四国地方にかなりはげしい地震があった、午前六時大阪気象台発表によると「??午前四時二十分、震源地熊野灘潮岬東方四十キロと推定、各地震度和歌山、奈良??、震度五、大阪、京都、兵庫、鳥取中震、震源地は烈震の模様、なお和歌山、三重地方には津浪の懸念がある、余震は微弱で経過??」
 【大阪発】二十一日午前九時現在の各地被害状況次のとおり
大阪全壊七十戸、半壊五十戸、小破二十四戸、死者十五名、重軽傷者十九名、京都、神戸、姫路大した被害なし、鳥取市倒壊一、米子市三、金沢、大津、名古屋、奈良大した被害なし、津、南北牟婁各具は津浪を警戒待?中、宇治山田市倒壊五、松江、広島、尾道、岡山大したことなし
○雷鳴と共に津浪 生地獄さながらの海南市
 【和歌山発】和歌山県???のサイドカーに同乗、海南市に?行した、街の中には?つ黒いどろ土がいっぱい、壁土が無残に落ちひしゃけた家も散見される”午前四時四十分ごろ打上花火のような雷鳴とともに夜目にもすごい約八尺くらいの津浪が押しよせてくるのをちらっとみました、一せいに?鐘が乱打され、子供の泣き叫ぶ声、ものすごい波、全くこの世ながらの地獄でした”とひざまでくる海水の中を泥まみれになって歩く老人が語る、同市の繁華街東浜通りには電車のポールがひんまがり、木片が散乱、まだ潮水が深いところで四尺余、高潮が小きざみに襲ってくる。
 黒江?港付近の???十数トンの帆船が二隻打上げられ省線海南駅?道路には倒壊家屋が横たわって行く手をはばむ、日東紡海南工場は床上浸水三尺におよび、米綿と織機がどろんこになり、機械?部が五寸ほど土砂に埋まり、工場再起の見込がないらしい
 被害は正午現在で浸水三千六百七十六戸、うち二千七十戸が床上浸水、死者六、行方不明一、津浪による全壊三戸被災者二万人(??)
○浸水七千戸 和歌山に大津浪
○関東大震災よりも大きい
 二十一未明の地震は中央気象台地震課の?によると震源地は和歌山南四百キロ、東経百三十五度、北緯三十三度の海底でほとんど全国にわたって地震が感じられ、一昨年熊野灘に起った大地震や関東大震災よりも大きく本邦付近の地震としては最大級のものだが、震源地が遠い海中だったので?接の被害は目立たなかった、また東大地震研究所荻原博士の話では震源地は世界二大地震帯の一つ環太平洋地震帯の一部で、いわゆる太平洋外側地震帯に属している、関東大震災、昭和八年の三陸大地震、東南海大地震もみなこの地震帯の活動のためだったから学者はこの地震帯に注目していた。
○警告があたる 米の地震計にも感ず
 【ロサンゼルス放送二十日RP】廿一日夜明方(日本時間)の地震につき、東京の自然科学者たちは、かねて最近しきりに起る小地震は大正十二年の大地震に匹敵すべき激震が、近く襲来する前兆であると警告していたが、今回の地震で、津浪に襲われた四国地方には??を?理する英占領軍の了解を得て、米占領軍当局から地震調査団を派遣し研究中であった。
 米本国では今回の地震は五つの大学の地震計に強烈な震動が記録され、その震源地は?領東インドまたは南米西岸であろうと見られている
○新宮市燃ゆ
○四国に死傷者多数
○大分、宮崎にも被害
○山陽線一時不通
○下田地方にも高潮

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