[2019_02_13_02]玄海原発2号機廃炉 テロ対応拠点の用地確保が困難(毎日新聞2019年2月13日)
 
参照元
玄海原発2号機廃炉 テロ対応拠点の用地確保が困難

 九州電力は13日、玄海原発2号機(佐賀県玄海町)を廃炉にすると発表した。テロ対応拠点施設を新設する用地の確保が困難なことが主因。東京電力福島第1原発事故後の新規制基準を満たす安全対策費が膨らみ、採算が見込めないことも影響したとみられる。原発事故後、東電以外で廃炉を決めた原発は7原発11基目となる。
 池辺和弘社長は同日午後、佐賀県と玄海町、同県唐津市を訪れて廃炉決定を報告した。佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は30年程度かかるとみられる廃炉作業に触れ「(廃炉決定で2号機の)核燃料や放射性物質が直ちになくなるというものではなく、安全対策に万全を期してもらいたい」と応じた。
 2号機は1981年3月に運転を始め、東日本大震災前の2011年1月から定期検査に入ったまま運転を停止している。21年3月に原則40年の運転期限を迎える。
 九電は18年の玄海3、4号機再稼働後、2号機の存廃を判断する本格的な検討を始めた。原発は原子力規制委員会の認可が下りれば、最長20年の運転延長が可能となる。そこで運転延長した場合の採算性を検討した結果、2号機の発電出力が55.9万キロワットと小さく、可搬型ポンプ車の設置や火山対策といった多額の安全対策費をかけても採算が見込めないと判明。九電は安全対策費を「競争上重要な数字」として公表していないが、九電が再稼働した原発4基の安全対策費は合計で1兆円近くに上ることから、2号機で2000億円規模になるとみられる。
 一方、規制委の審査を経て3、4号機に新設するテロ対応拠点施設の規模が固まっており、九電は同規模の施設を2号機に建設する場合、用地が足りないと判断した。
 九電は玄海2号機の廃炉費用として365億円を見積もっている。既に316億円を引き当てているが、今後の規制委の審査次第で金額が上ぶれする可能性もある。【浅川大樹、関東晋慈】

KEY_WORD:HIGASHINIHON_:FUKU1_:GENKAI_: