[2021_01_21_01]「国に忖度した判決」 福島原発訴訟の原告落胆(時事通信2021年1月21日)
 
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「国に忖度した判決」 福島原発訴訟の原告落胆

 「残念でならない」。
 東京電力福島第1原発事故に関する国の責任を否定した東京高裁判決を受け、21日に記者会見した前橋市に住む原告の女性は「国の原発推進政策に忖度(そんたく)した判決で許せない」と憤った。
 事故から間もなく10年となる中、避難者の生活再建の先行きはなお見通せない。女性は「10年たとうが20年たとうが、(福島に)帰れない。国はこの苦しみを分かっているのか」と訴えた。
 判決言い渡し後、東京都千代田区で行われた原告や支援者らの集会は重苦しい雰囲気に包まれ、弁護団は一様に厳しい表情を浮かべた。
 弁護団長の鈴木克昌弁護士は「国の責任や東電の落ち度に甘く、到底容認できない」と判決を批判。事務局長の関夕三郎弁護士も、過去の司法判断でほぼ認められた津波の予見可能性も否定されたことなどに、「ショックでしばらく立ち上がれなかった」と衝撃を隠さなかった。

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