[2021_01_26_05]冬季の原発事故 除雪は?避難の課題山積み(BSN新潟放送2021年1月26日)
 
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冬季の原発事故 除雪は?避難の課題山積み

 冬場に地震が発生し、柏崎刈羽原発で事故が起きたことを想定した避難訓練が26日、新潟県で初めて実施されました。雪による孤立地域の発生や避難道路の渋滞など、冬場の避難の課題は山積みです。

【記者リポート】
 「雪がある中での原子力災害にどう備えるのか。冬季訓練が始まります」
 この訓練は雪が積もっている冬場に、柏崎市で震度6強の地震が発生し原子力災害が起きたという想定で、原発から30キロ圏内の地域で行われました。
 冬場の避難を想定し、登場したのは雪上車。雪で車が通れない道は、雪上車で向かいます。
 地震で雪壁が崩れ孤立してしまった地域から、ヘリで負傷者を救出したり、大型雪上車を使って住民を避難させたりする方法を確認しました。県が冬場の原子力災害を想定した訓練を行うのは初めてで、花角知事も視察に訪れました。

【花角知事】
 「一つ一つ課題をどう克服していくか、こうした訓練を積み重ねていく」
 県の避難計画では原発事故が起きた場合、自家用車による避難が原則となっています。ただ桜井市長は、かつて雪が積もった避難ルートを夜間、実際に運転して確認した際、避難自体が危険だと訴えていました。
 また、原発事故の中で、避難ルートの除雪が行えるのかという点も課題となっています。
 BSN新潟放送が2018年に、柏崎刈羽地域の58の除雪業者を対象にアンケート調査を行ったところ、回答を得られた29の業者うち、「原発事故時でも安全を第一に、できる範囲で除雪する」と答えた業者は63%で、24%の業者は「従業員の安全を確保するために、避難を優先する」と回答しました。
 年末年始にかけて、記録的な大雪となった新潟県内。上越市では10日、柏崎市からつながる国道8号で、大型車が雪でスタックし一時250台が立ち往生する事態となりました。

【柏崎市 桜井雅浩市長】
 「もっと悪い天候・環境ということを考え得るわけですので、きょうの訓練を一つ一つ検証しながら、実効性のある避難訓練を積み重ねていかなければならない」

【花角知事】
 「雪国である我々が雪と格闘しながら生活をしていく。乗り越えなきゃいけない課題。除雪をもっともっと効率良くやれないかとか」
 再稼働に向けた手続きが進む中、冬場でも住民は迅速に、安全に避難できるのか。そして、除雪は間に合うのか。課題は山積みです。

BSN新潟放送
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