[2021_04_19_07]放射性廃棄物の地層処分について(その13)「地球温暖化を主張する人々の勘違い」 海洋プラスチック汚染を軽視できない 平宮康広(信州大学工学部元講師)(たんぽぽ舎2021年4月19日)
 
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放射性廃棄物の地層処分について(その13)「地球温暖化を主張する人々の勘違い」 海洋プラスチック汚染を軽視できない 平宮康広(信州大学工学部元講師)

◎ 原発も、永久停止して石材で石棺化すれば、1000年以上保管できる。石棺化した後、その原発の稼働で使用した使用済み核燃料を約300年、その原発の敷地内で保管すべきである。
 プルトニウム238が放出するガンマ線の線量は、約300年後に10分の1以下になる。そして使用済み核燃料の温度がおそらく気温程度になる。
 すなわち、石棺化した原発の敷地内で約300年保管した使用済み核燃料を、小型軽量キャスクに挿入して搬送できるようになる。搬送先は、石材で建造した保管庫である。
 現状、使用済み核燃料も原発も1000年保管し、その1000年の期間にどう対処するかを考えるしかない。むろん、1000年後の地層処分はかなり安全であるが、他方、1000年の期間に放射能半減期を人為的に短縮する方法が見つかるかもしれない(素粒子の世界も、熱力学第二法則に支配されているということが、ほぼ判明している。
 すなわち、宇宙は、何次元時空間ではなく、熱時間空間である。この事実は、放射能半減期の人為的な短縮を可能にするかもしれない)。

◎ 使用済み核燃料と原発の1000年保管は、技術的に可能である。
 しかし経産省とNUMOは、「我々の世代の核のゴミは、我々の世代が処分しなければならない」などと言い、地層処分を急いでいる。
 彼らは思い上がっている、と言うのはたやすい。
 だが、使用済み核燃料と原発の1000年保管を具現するには、現実の作業として、最終処分法を書き換える必要がある。すなわち、「放射性廃棄物(使用済み核燃料と原発)」の処分は、行政府が責任を負う前に立法府が責任を負わなければならない。

◎ ところで、二酸化炭素の排出量を制限して地球の温暖化を阻止せよと主張する人々、とりわけ環境省の支援を得て主張する人々の多くが、原発に反対しない。
 彼らは、太陽光発電や風力発電、地熱発電等を持ち上げ、他方、原子力発電は二酸化炭素を排出する石炭火力発電の代替手段である、と考えているように見える。
 彼らにとって、地球温暖化とは、大気の温度=気温の上昇である。地球の表面は陸地より海洋のほうが広く、水の比熱が空気の約4倍あるというのに、彼らは気温が上昇して海水温が上昇したのではなく、海水温が上昇して気温が上昇した、と考えない。
 彼らは、環境問題を論じるが、彼らが海洋プラスチック汚染を問題提起する場面はいない。
 気温が上昇する原因は様々であるが、海洋プラスチック汚染を軽視できない。
 しかし残念なことに、海洋プラスチック汚染を問題提起する人々も、それが気温上昇の原因でもある、とは考えていないようである。
 ここでは、海洋プラスチック汚染そのものではなく、海洋プラスチック汚染が気温上昇の原因になると考える理由を述べる。
                   (その14)につづく
KEY_WORD:温室効果ガス_原発新増設_: