[2021_05_26_01]高線量区域に2300機器 原燃 過去の記録で検査可能(東奥日報2021年5月26日)
 
 日本原燃(六ヶ所村)は25日、六ケ所再処理工場の稼働へ向けた使用前事業者検査の対象設備のうち、コンクリートで密閉された小部屋「セル」にあり、高い放射線量などのため実測での検査が困難な機器が約2300あると、原子力規制庁に示した。原燃は過去の検査記録などを活用することで、全ての機器で「検査の実施が可能」とした。
 使用前事業者検査は、原燃が2022年度上期と掲げる完工の前に必要な工程の一つ。再処理工場は06年に開始したアクティブ試験(最終試運転)で実際に使用済み核燃料を用いた。放射性物質で汚染され、高線量で作業員が近づけないセル内の機器の検査を巡って、規制庁審査チームが原燃に対して具体的な手法を示すよう求めていた。
 原燃は25日の審査会合で、実測できないセル内の約2300機器は過去の検査記録のほか、設計や施工の段階で製作された要領書や図面などを活用し、基準を満たすかどうか確認する方針。その整理を6月末までに完了させるという。
 セル内とは別に、配管の密集などによって直接的な検査が不可能な機器は約3千あり、同じ手法で確認を進める考え。一連の作業について、規制庁幹部は「合格の基準に達する適合性を説明できる記録がきちんとそろっているかの確認」と話した。 (佐々木大輔)
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