[2021_09_03_02]国と東京電力が福島第一原発処理水を海洋トンネルで放出する方針 宮城県の漁業関係者から反発の声(KHB東日本放送2021年9月3日)
 
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国と東京電力が福島第一原発処理水を海洋トンネルで放出する方針 宮城県の漁業関係者から反発の声

 福島第一原発でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水について、東京電力は基準値以下に薄めたうえで海底トンネルを堀り原発から1キロ先の沖合に放出する方針です。宮城県内の漁業関係者は強く反発しています。
 処理水の扱いをめぐり、県は経済産業省と東京電力から海洋放出の具体的な計画と新たな賠償の枠組みについて説明を受けました。
 海洋放出は2023年春をめどに敷地から1キロ先の沖合まで海底トンネルを掘り、海水で薄めて放出する計画です。
 遠藤信哉副知事「海洋放出に代わるですね、方法をいろいろ検討いただきたいということ。それから国民的な理解合意ができるまで、海洋放出しないようにという要望が出ております」
 これに対し経済産業省の担当者は、国の検討会で有識者が6年をかけて議論したことや、福島第一原発の廃炉を進めるためには処理水の処分は必要だとする説明を繰り返しました。
 また東京電力は、放出によって海産物や加工品などの売り上げ減少といった風評被害が起きた場合には、地域や業種ごとの価格や取り引き量を用いて賠償を進める案を示しました。
 遠藤信哉副知事「あの内容ですべて尽きるかというと必ずしもそうは思っていません。まだ緒に就いたばかりと感じております」
 また、宮城県内の漁業関係者も強く反発しています。
 石巻魚市場佐々木茂樹社長「石巻の水産業界一致して、絶対海洋放出は容認できないということで、内容は一切変わっておりません。日々の水揚げされた魚を検査してまったく数値としては出ていませんけども、10年以上そういう作業をしているんです。今度、福島の方で海洋放出されてしまうと、この作業が30年以上続くとなると、今までやった努力が水泡に帰すというか無駄な作業になってしまう」
 カキ漁師「1キロといっても潮とか風の流れで、処理水がこちらの方に来る
可能性も無きにしも非ずなので、不安なところはありますね」
 「直接危害を受けるのは我々なので、大丈夫だと言われてても心配じゃないですか。僕たちもそうですけど、一般市民の方がそこで獲れたものを本当に食べられるのというところで、何か他に案は無かったのかなと思いますけど」
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