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[2025_08_08_09]東海第二発電所 中央制御室火災を踏まえた 再発防止対策及び安全管理の徹底について(最終報告)(日本原電2025年8月8日) | ![]() |
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参照元
04:00 2025年8月8日 日本原子力発電株式会社 東海第二発電所 中央制御室火災を踏まえた再発防止対策及び安全管理の徹底について(最終報告) 当社は、東海第二発電所において火災が続いたことを受け、火災の発生防止のための組織的な取り組み強化を行い、再発防止に取り組んできました。 この取り組みを進めている中、本年2月に東海第二発電所の中央制御室において火災を発生させたことを踏まえ、茨城県より「火災対策の徹底について(厳重注意)」、東海村より「安全管理の徹底について(要請)」の文書を受領しました。 (2025年2月14日お知らせ済み) 当社は、茨城県及び東海村に、根本原因分析及びこれまでの火災防止対策に対する検証の2つの評価プロセスをもとに再発防止対策及び安全管理の徹底について検討を進め、3月28日に初回報告を行いました。その後、組織要因を含む根本原因分析及びこれまでの再発防止対策について不足していた点がなかったか、火災防止の観点のみならず作業における安全管理の確保についても不足がなかったか等の深掘りを含めた検証を行い、その内容を再発防止対策の方針として取り纏め、6月13日に「中間とりまとめ」としてご報告しました。 (2025年3月28日、6月13日お知らせ済み) 当社は、本日、中間とりまとめにおける再発防止対策の方針に基づき、具体的な実施計画を含めた再発防止対策及び安全管理の徹底について茨城県及び東海村に最終報告を行いました。なお、取り纏めにあたっては、5月30日に発生した原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル(接地線)からの火災についても追加検証を行い、再発防止対策を立案しています。 また、中央制御室内制御盤における火災及び原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル(接地線)からの火災について、安全協定等に基づく事故・故障等発生報告書(最終報告)を関係自治体に提出しました。 今後、組織力の向上と安全文化の改善により安全管理を徹底するとともに、対応状況や安全に対する当社全般の取り組みを積極的に公開することで、地域の皆さまの信頼の回復に努めてまいります。 添付資料 1. 東海第二発電所 中央制御室火災を踏まえた再発防止対策及び安全管理の徹底について (最終報告) 2. 東海第二発電所 中央制御室内制御盤における火災の発生について(最終報告) 3. 東海第二発電所 原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル(接地線)からの火災の発生について(最終報告) 以 上 ◆参考資料 東海第二発電所 中央制御室火災を踏まえた再発防止対策及び安全管理の徹底について(最終報告) ---------------------------------------------------------------------------------------------- 添付資料1 東海第二発電所 中央制御室火災を踏まえた再発防止対策及び安全管理の徹底について(最終報告) 2025年8月8日 日本原子力発電株式会社 ---------------------------------------------------------------------------------------------- 再発防止対策の検討方針及び構成 1. 中央制御室内制御盤における火災に対する根本原因分析及びこれまでの火災防止対策に対する検証の二つの評価プロセスを基に、外部の専門家によるレビューも受け、再発防止対策の方針を取り纏めました。(図1) (2025年6月13日に「中間とりまとめ」として報告) 2. 2025年5月30日に発生した原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル(接地線)からの火災についても追加検証を行い、再発防止対策に反映しました。 3. 「安全な組織管理体制の再構築」に向けた再発防止対策の構成は、 「安全な組織管理体制の再構築」の根幹となる安全最優先の行動原則の徹底(@)及びリスクマネジメント・作業の変更管理(A)と、これを支える「安全な組織管理体制を支える仕組みの構築」(BCDE)からなり、これにより、火災発生防止はもとより発電所の安全運営に寄与する自主的・継続的な改善を行ってまいります。(図2) ![]() ![]() ---------------------------------------------------------------------------------------------- 再発防止対策(再発防止対策の方針及び具体的な実施計画) 再発防止対策は実施していく中で、その実効性を評価し、実施計画の統合・拡充を含めた見直しを行い、継続的に改善を図ります。(青字は早期に取り組む重要な対策) ![]() ---------------------------------------------------------------------------------------------- 早期に取り組む再発防止対策(具体的な実施計画) 以下に示す実施計画は、安全最優先の行動原則の徹底において重要な事項として早期に取り組んでいます。 ![]() ---------------------------------------------------------------------------------------------- 組織力の向上と安全文化の改善による安全管理の徹底 1. 外部専門家や地域の方々からの助力を得て再発防止対策を策定しました。 2. 持続的な安全管理体制の維持及び向上のため、再発防止対策を継続することはもとより、今回の検討の中で 得られた以下の心構えを社員全員の組織文化とすることが重要と認識しています。 3. これらを継続的に実施・評価・改善することで、当社の組織力の向上、更には安全文化の改善を図り、安全管理の徹底を浸透させてまいります。 (1)外部の方々等からの意見に耳を傾ける姿勢の重要性 レ 外部の方々のご意見を謙虚に受け止め、組織外のご意見に耳を傾ける重要性を認識し改善することが、今後の発電所運営の重要な要素となることを、社員一人ひとりが肝に銘じ対応していきます。具体的には、社外の安全コンサルタントによる安全診断の対象範囲を、当社社員の現場におけるふるまいにも拡大します。また、中央労働災害防止協会が実施している安全衛生診断を新たに受診することや、異業種との交流により、現場の安全に関する社外の知見をこれまで以上に積極的に取り入れ、社員を含めた働く者全ての現場力向上を強力に推し進めていきます。 (2)今後の継続的な発電所運営に向けた個々人の資質向上と組織力向上 レ 発電所で働く全ての者が、現場の危険に対する感受性を強化する方策を実施していくとともに、会社全体で組織的にその取り組みをサポートすることで、発電所の安全管理の強化を図っていきます。 レ 引き続き、安全向上の取り組みには終わりがないこと、不断の改善が重要であることを常に強く自覚するとともに、地域の皆さまに安心していただける発電所運営を意識し、必要と判断したものは自律的かつ速やかに改善できる職場環境を醸成していきます。 (3)経営層の決意と意識改革 レ 一連の火災により地域からの信頼を著しく損なったことを肝に銘じ、襟を正すとともに、所員一人ひとりが安全最優先の行動原則を自分のものとするための具体的な改善策を継続的に示していくとともに、安全最優先の行動原則の徹底を繰り返し発信し、自ら率先垂範します。 レ 予兆を捉え重大災害を未然に防止する取り組みが極めて重要であること、いかなる事態であろうとも安全を守ること以上に優先する事項はないこと、さらにはこの意識を持続することが、地域からの信頼を得るための礎であり、根幹であることを改めて強く認識するとともに、安全最 優先に組織力の向上を図り、当社の事業運営を進めていきます。 レ 立地地域において事業運営をしていることを常に認識し、住んでいる人と働いている人の健康と安全を守ることはもとより、地域からの信頼の維持に最大限の努力を払います。原子力発電所における火災の発生は、地域の信頼を損ねる事案であることを原子力事業者として経営層一人ひとりが強く認識し、地域の声に耳を傾け、地域の目線で物事を捉えることを実践していきます。 <失われた信頼の回復に向けて> 「安全は現場にある」という決意のもと現場第一線の声に常に耳を傾け、より実効的な安全管理体制へ改善を進めます。経営層を含めた全ての社員、発電所で働く全ての者が同じ目線と意識をもって一丸となって一歩一歩進めていくことにより、失われた信頼の回復に全力で取り組んでまいります。 ---------------------------------------------------------------------------------------------- 添付資料2 東海第二発電所 中央制御室内制御盤における火災の発生について(最終報告) 1. 経緯 2025年2月4日、東海第二発電所※1 中央制御室内の制御盤より現場の弁の作動試験を行っていたところ、中央制御室内の移動式炉心内計装制御盤の隙間から炎(こぶし大)及び煙を確認したため、直ちに二酸化炭素消火器を使用した消火活動を行い、消火を確認しました。現場を確認した公設消防により、14時28分に鎮火が確認されました。また、14時55分に火災と判断されました。 なお、本事象による放射性物質の漏えいはなく、環境への影響、人の汚染や被ばく、人身災害もありませんでした。 ※1:沸騰水型軽水炉、定格電気出力110万キロワット。第25回定期事業者検査中 (2025年2月4日お知らせ済み) 2. 原因調査結果(直接原因)及び再発防止対策(直接原因に関するもの) 移動式炉心内計装のシェアバルブ※2の作動試験を実施するにあたり、移動式炉心内計装制御盤の内部回路にあるスローブローヒューズ※3を大容量のヒューズ※4に交換したことにより、回路が保護されない状態になったこと、当社社員が中央制御室内に設置されている当該制御盤からシェアバルブのキースイッチを長時間「点火」位置(入状態)に保持したことで通電状態が継続された結果、抵抗器に異常発熱が生じ、近接する端子台が焼損に至ったものと推定しました。※5 原因調査結果を踏まえ、直接対策として当該制御盤のスローブローヒューズを大容量ヒューズに交換することを禁止することに加え、以下の対策を講じました。 @ 移動式炉心内計装のシェアバルブ作動試験時の試験方法の見直し A 電流測定試験におけるヒューズ変更の禁止 B スローブローヒューズの移設及び施錠管理の実施 C 注意喚起銘板の取り付け D 品質マネジメントシステム規程への反映 ※2:原子炉建屋2階に設置されており、緊急時に検出器が引抜けない場合や格納容器隔離弁が全閉しない場合に限って当該制御盤より作動させケーブルを切断し、格納容器の隔離を行う弁。 ※3:通電によりゆっくりと温度が上昇し溶断するヒューズ。当該ヒューズの容量は0.5Aであり、シェアバルブの動作電流(約5.8A)が流れると0.7秒後に溶断する仕様。 ※4:工場出荷時の試験と同条件で実施するため10Aのヒューズを使用することとした。 ※5:発生報告書提出時の推定原因については2025年2月12日にお知らせ済み。 (2025年6月13日お知らせ済み) 3. 組織的取り組みとしての再発防止対策 中央制御室内制御盤における火災に対する根本原因分析に基づき、再発防止対策を取り纏めました。 これに加えて、これまでの火災防止対策に対する検証に基づく対策を実施します。 以 上 ◆参考資料 東海第二発電所 中央制御室内制御盤における火災の発生について(最終報) ---------------------------------------------------------------------------------------------- 添付資料3 東海第二発電所 原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル(接地線)からの火災の発生について(最終報告) 1. 経緯 5月30日、東海第二発電所※1原子炉建屋地下1階において、安全性向上対策工事に伴い新設するケーブルトレイのサポート材を溶接中に溶接用ケーブル(接地線)からの発火を確認したことから、初期消火を実施し公設消防に通報しました。 その後、本事象について、公設消防が現場を確認した結果、12時55分に火災と判断されました。 なお、本事象による放射性物質の漏えいはなく、環境への影響はありません。また、人の汚染や被ばくはありませんでした。 ※1:沸騰水型軽水炉、定格電気出力110万キロワット。第25回定期事業者検査中 (2025年5月30日お知らせ済) 2. 原因調査結果 本事象が発生した直接の原因は、溶接用ケーブル(接地線)のうち、溶接機本体の接地線と延長用ケーブルを接続するコネクタ部の差し込み不足及びねじ込み不足により、接続不良の状態で溶接作業を行ったことから、当該コネクタ内部が発熱し、火災に至ったものと推定しました。 (2025年6月6日お知らせ済) 3. 再発防止対策 原因調査結果を踏まえ、以下の再発防止対策を実施しました。 @溶接用ケーブルのコネクタ接続時にコネクタ保護カバーの空回りを防止するため、コネクタ保護カバーと溶接用ケーブルをテーピング等により固定する運用とします。 A溶接用ケーブルのコネクタ接続時に、誤認を防止する観点から、協力会社作業責任者及び当社社員で、コネクタ部が確実に接続されていることを確認する運用とします。 なお、製品や運用方法等において、より効果的な対策が確認された場合は、対策の取り入れに伴うリスク評価等を事前に行い安全性を確認した上で積極的に取り入れ、継続的な改善に努めます。 別紙:原因調査結果(火災発生時のメカニズム) 4. 追加検証を踏まえた再発防止対策 本事象は、作業前点検においてコネクタの接続状態の誤認がなければ防げたことから、これまでの当社の火災防止対策に不足がなかったか追加検証を行いました。 検証の結果、現場経験が豊富な当社社員及び協力会社で構成する火災撲滅推進チームを編成し、防火の観点から集中的に現場の安全確認を行うこととしました。この活動結果を通じて得られた知見を活用し、基本動作が確実に励行されるよう、現場の緊張感を高める取り組みを継続します。また、得られた知見を協力会社にも展開してまいります。 以 上 ◆参考資料 東海第二発電所 原子炉建屋地下1階 溶接用ケーブル (接地線)からの発火ついて(最終報) ---------------------------------------------------------------------------------------------- 別紙 原因調査結果(火災発生時のメカニズム) ![]() |
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KEY_WORD:東海第2-中央制御室-出火_:TOUKAI_GEN2_: | ![]() |
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