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[2025_08_27_05]南海トラフ対策の海底観測網、唯一未完成の四国・九州沖も設置完了…総延長は全国8000kmに(読売新聞2025年8月27日) | ![]() |
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参照元
15:30 南海トラフ地震に備えるため、政府が整備してきた四国・九州沖の海底観測網の設置が完了した。今秋本格稼働すれば、日本海溝周辺や紀伊半島沖のシステムと併せて、太平洋側に、マグニチュード(M)8級の巨大地震に対する総延長約8000キロ・メートルの観測網が完成し、津波の早期検知に期待がかかる。 今月初旬、観測網の心臓部となる国立研究開発法人・防災科学技術研究所(茨城県つくば市、防災科研)の一室では、16台もの大型モニターが複雑な波形を描いていた。 陸海2200か所の地震・津波観測データが全国から集まる中枢で、新たに整備された海底観測網のデータも飛び込んでくる。 「迅速な防災情報を出すことで、多くの人命を助けることにつながる」。青井真・巨大地変災害研究領域長は、力を込めた。 防災科研が運用する海底観測網は、日本海溝周辺の「 S-net 」、紀伊半島沖の「 DONET 」、四国・九州沖の「 N-net 」の三つある。このうち唯一未完成だったN―netが今秋稼働する。 [図 巨大地震に備えた海底観測網の概要] 海底ケーブルには津波を測る水圧計や地震計などからなる複数の観測点を設置。N―netの場合、地震は最大20秒、津波は最大20分早く検知できるようになる。 昨年8月に宮崎県沖・日向灘で発生した地震について、N-netの試験運用中の観測点で津波を捉えることに成功した。 政府は三つの観測網の整備に約700億円を投じた。整備本格化の契機は、日本海溝付近を震源域とする2011年の東日本大震災だ。同海溝付近には当時、観測点がほとんどなく、10メートル超の巨大津波が向かっていることを到達直前までつかめなかった。 観測計画策定に携わった東北大の日野亮太教授(海底地震学)は「切れ目のない観測データは科学研究の財産になる」と期待する。ただ、全ての観測網を運用するには年十数億円の維持費が必要で、日野教授は「国の継続的な財政支援が欠かせない」と指摘する。 |
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KEY_WORD:南海トラフ巨大地震_:HIGASHINIHON_: | ![]() |
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