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[2025_09_01_02]「防災の日」政府の総合防災訓練 南海トラフの巨大地震想定で(NHK2025年9月1日) | ![]() |
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参照元
14:27 9月1日は「防災の日」です。ことしの政府の総合防災訓練は南海トラフの巨大地震で、西日本と東日本の広い範囲で甚大な被害が出ているという想定で行われ、国や自治体の担当者が初動対応や連携の手順などについて確認しました。 ことしの政府の総合防災訓練は、和歌山県の沖合でマグニチュード9.1の南海トラフの巨大地震が発生し、西日本と東日本の広い範囲で震度7や6強の激しい揺れとなり太平洋側を中心に大津波警報が発表されたという想定で行われました。 去年の能登半島地震を踏まえて冬の夕方に発生したことを想定していて、訓練では、総理大臣官邸に閣僚などが集まって午前8時10分すぎに訓練のための「緊急災害対策本部」を設置し、対応の状況を確認しました。 また、静岡県、高知市、和歌山県串本町と結んでテレビ会議を行い、このうち静岡県の鈴木知事からは地震の揺れや津波によって大きな被害が出て集落の孤立も発生しているという報告を受け、今後の対応や連携について確認しました。 石破首相が防災訓練視察 石破総理大臣は首都直下地震を想定してさいたま市で行われた防災訓練を視察しました。訓練はマグニチュード7.3、最大震度6強の首都直下地震が発生したという想定で行われ、石破総理大臣は東京都など首都圏の9つの自治体が参加したさいたま市の会場を訪れました。 そして、消防などが土砂に埋まった住宅に取り残された人や倒壊した建物の下敷きになった人を救出する様子を視察しました。続いて担当者から説明を受けながら、AED=自動体外式除細動器を使った心肺蘇生法を体験したり、避難所で活用する段ボールベッドやパーティションを設置したりしました。 閉会式で石破総理大臣は「被災者の救出や救護、ライフラインの応急復旧、AEDの操作や段ボールベッドの設置体験などの訓練が行われ、参加者1人1人の災害対応力の向上につながる極めて意義深いものだった」と述べました。 そして「首都直下地震や南海トラフの巨大地震はいつ発生してもおかしくない。大災害に備え、各部隊、職員、事業者が練度を上げることと、国民に命を守る行動を確認してもらうことが重要だ」と強調しました。 林官房長官「災害対応力の充実・強化 重点的に取り組む」 林官房長官は午前の記者会見で「南海トラフの巨大地震などの国難級の災害の発生が切迫する中、人命・人権最優先の防災立国の実現が急務だ。防災庁の設置を見据えながら災害対応力の充実・強化に重点的に取り組んでいく」と述べました。 そのうえで 「来年度中に設置予定の防災庁は、わが国の防災全体をふかん的に捉え、平時から徹底した事前防災、発災時から復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を有する組織とすることとしており、来年の通常国会への関連法案の提出に向け準備を加速していく。 また、防災庁の分局についても地域の支援強化や大規模災害時の業務継続性の観点を踏まえ、検討を進めていく」 と述べました。 南海トラフ巨大地震の想定は 南海トラフの巨大地震は、静岡県の駿河湾から九州の日向灘沖にかけて海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいる南海トラフ沿いで発生すると想定されています。 内閣府などによりますと、南海トラフ沿いではおおむね100年から150年の間隔で大規模な地震が繰り返し発生していて、政府の地震調査委員会は、今後30年以内にマグニチュード8から9の巨大地震が発生する確率は80%程度としています。 南海トラフ巨大地震が起きた場合の被害想定は、ことし3月に見直されました。 マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合、激しい揺れと大津波が広域に及び、 揺れは ▽震度6弱以上が神奈川県から鹿児島県にかけての24府県600市町村で ▽震度7が静岡県から宮崎県にかけての10県149市町村で想定されています。 津波は、 ▽3メートル以上が福島県から沖縄県にかけての25都府県 ▽10メートル以上が関東から九州にかけての13都県で想定され ▽高知県と静岡県では局地的に30メートルを超えるおそれがあるとされています。 死者は最悪、全国で29万8000人にのぼり、このうち21万5000人は津波で、7万3000人は建物の倒壊で犠牲になると推計されています。 また、235万棟の建物が激しい揺れで全壊したり火災で焼失したりすると想定されています。 経済にも大きな影響を及ぼし、被災で生産力が低下した影響を含めて、経済被害は270兆円余りにのぼるとされています。 一方で、早めの避難や耐震化などの対策で被害は大幅に減らすことができるとされています。 全員がすぐに避難すれば津波の死者はおよそ7割減り、耐震化率が100%になれば、全壊する建物はおよそ7割減って、建物倒壊による死者も8割近く減ると試算されています。 家具の固定率も100%になれば、倒れてきた家具などで亡くなる人はおよそ7割減ると試算されています。 |
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KEY_WORD:南海トラフ巨大地震_:NOTOHANTO-2024_: | ![]() |
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