[2017_06_07_04]『常陽』の近くの施設で作業員被ばく事故 5人のプルトニウム・ウラン粉末被ばく事故がおきた 背景には『常陽』再稼働へむけての動きがある−阻止しよう 相沢一正(脱原発とうかい塾)(たんぽぽ舎メルマガ2017年6月7日)
 
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『常陽』の近くの施設で作業員被ばく事故 5人のプルトニウム・ウラン粉末被ばく事故がおきた 背景には『常陽』再稼働へむけての動きがある−阻止しよう 相沢一正(脱原発とうかい塾)

 「安心も安全もないままに、また1基、原発が動き出」したと評される(東京新聞6/7)、関西電力高浜原発3号機の再稼働が強行された同じ日(6/6)、茨城県大洗町の原子力機構大洗研究開発センターの施設で作業員5人のプルトニウム・ウラン粉末被ばく事故が起こった。
 高浜原発3号機はプルトニウム活用のMOXを一部挿入している原子炉だ。溜まってしまったプルトニウムの見せかけの活用という、危険な実験も兼ねた許しがたい再稼働だが、この施設での事故もプルトニウム利用に関わるのである。
 被ばく事故を起こした施設の傍には、2009年以来止まっている『常陽』がある。この原子炉は高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃止措置が決まった後で、何ら成算のない増殖炉路線をやみくもに進めてきた国と原子力機構のメンツにかけて、不死鳥のように甦らせられようとしている、プルトニウム活用の施設だ。
 原子力機構は今年3月30日、高速原子炉『常陽』として、新規制基準に基づく適合性審査を申請した。失敗した「もんじゅ」に代わって、高速炉開発に向かって進みだしたのである。「もんじゅ」失敗の総括も責任の所在も明らかにしないままの、再びの見切り発車に強引なスイッチを入れたのだ。
 プルトニウムとウラン粉末を保管する金属容器を包むビニール袋が破裂して被ばくしたとされる今回の事故は、『常陽』用の貯蔵核燃料の整理にかかる作業の中で起こったものと考えられるが、背景には以上のような『常陽』再稼働へむけての動きがあることを指摘しておかなければならない。
 「原型炉」を飛ばして一気に「実証炉」に向かうという、無謀な高速炉計画のストップと『常陽』の再稼働阻止に向けての対策が準備されなければならないことをこの被ばく事故は明らかにしたと言えよう。

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