[2022_01_11_01]むつ市長「成立へ苦渋の選択」 使用済み核燃料に新税、譲歩案を正式表明(東奥日報2022年1月11日)
 
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むつ市長「成立へ苦渋の選択」 使用済み核燃料に新税、譲歩案を正式表明

 青森県むつ市の宮下宗一郎市長は11日の記者会見で、市が独自課税を目指す使用済燃料税(核燃新税)に関し、税率の大幅譲歩案を特定納税義務者のリサイクル燃料貯蔵(同市、RFS)に伝達したと正式に表明した。会見後の東奥日報の取材に「新税を成立させるための苦渋の選択。それがむつ市の将来のためになると考えた」と説明。「事業者のほか県と県内他地域、核燃料サイクルを推進する国にも配慮した」とも述べた。
 宮下市長は会見で「事業者を苦しめる目的での課税ではない。(RFSが)『当社の事業が立ちゆかなくなる』と繰り返し述べた点も考慮する必要があった」と譲歩理由を話した。
 また、市議会が親会社の東京電力ホールディングス幹部を参考人招致した昨年12月、宗一誠東電常務が「むつ市の税率は当社が柏崎刈羽(原発、新潟県)で保管している使用済み燃料に課されている税率と比べて2倍以上」などと述べたことに触れ、「税率の示唆と受け止めた。柏崎の話は(東電が)自ら言ったので、その発言にしっかり責任を取ってもらいたい」とも話した。
 市は今後もRFSとの減免協議を続け、3月の定例市議会に税を減免する条例改正案を提出する方針。可決されれば、総務大臣の同意を求めて国との協議に臨む。
 宮下市長は会見後の取材に、減免協議が進まない要因の一つとなっているRFS側の「足元(事業開始後、数年間)の搬入計画は示せない」との主張についても、原子力規制庁に提出している計画が存在する−として矛盾を整理していく考えを示した。
 むつ市議会「使用済燃料中間貯蔵施設に関する調査検討特別委員会」の冨岡幸夫委員長は取材に対し「新たな展開を迎えたので、RFSとの交渉の行方を見守る。市使用済燃料税条例成立から約2年たっており、順調に進むことを望む」と語った。
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