[2021_06_24_07]中国電力島根原発2号機が「合格」 美浜原発3号機再稼働のどさくさ紛れか 島根原発の30km圏人口は46万人=全国で第3位 自力での避難が難しい要支援者数では全国最多 上岡直見(環境経済研究所代表)(たんぽぽ舎2021年6月24日)
 
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中国電力島根原発2号機が「合格」 美浜原発3号機再稼働のどさくさ紛れか 島根原発の30km圏人口は46万人=全国で第3位 自力での避難が難しい要支援者数では全国最多 上岡直見(環境経済研究所代表)

◎ 東海第二原発や美浜原発3号機の話題に隠れて動向があまり伝わってこない中国電力の島根原発であるが、昨日(2021年6月23日)に、規制委員会は2号機の再稼働について審査書案を了承し、いわゆる「合格」の段階になった。
 工事関連は今年度中の完成を目指しているが、地元自治体の同意など具体的なめどは立っておらずまだ2〜3年はかかるとの見方もある。
 なお1号機は廃炉が決定しているが、3号機は建設中で、稼働を目指して審査申請中である。

◎ 島根原発は西日本では珍しい沸騰水型(日立)である。地域的な特徴としては全国で唯一の県庁所在地(建設当初は八束郡鹿島町)にあり、一般には過疎地域のように思われている山陰地方にありながら、県庁所在地に近いこともあって30km圏人口は46万人で東海第二原発と浜岡原発に次いで全国で第3位であり、しかも自力での避難が難しい要支援者数では全国最多だという。

◎ 避難計画では県内(西)ほか鳥取(東)・岡山と広島(南)に避難する計画だが、東西方向の高速道路はまだ未整備区間があり小間切れ状態だし、岡山や広島に向かうには険しい中国山地を越えてゆかなければならない。
 道路状況としては「原発銀座」の福井よりも厳しい状況と思われる。
 福島第一原発事故後の2012年に原子力災害対策指針が制定された際に避難時間シミュレーションを一通り行っているが、それ以後の見直しはなく、避難計画の実効性は期待できない。

◎ 今回の審査書案の了承は申請から7年半もかかっていながら、わざわざこの時期に発表したのは、美浜3号機の再稼働が大きく取り上げられることを見越して目立たなくする意図があったかもしれない。
 しかし地元の「山陰中央新報」では「合格」を予期して「県都の原発−島根原発」という大きな連載記事を6月初旬から掲載している。
 首都圏では閲覧しにくいが一部はネットでも見ることができる。
https://www.sanin-chuo.co.jp/page/picture-book/20210608_genpatsu.pdf
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