[2021_02_02_03]“核のごみ”処分場文献調査 村に設けられる「対話の場」とは… 北海道神恵内村(HBC北海道放送2021年2月2日)
 
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“核のごみ”処分場文献調査 村に設けられる「対話の場」とは… 北海道神恵内村

 原発から出る「核のごみ」の処分場選びに向けた文献調査が進む、後志の神恵内村では、住民も参加して、地域の将来のビジョンなどを話し合う「対話の場」がまもなく始まります。村の将来を案じる住民の思いは、複雑です。
 5月に供用開始を目指す、神恵内村役場の新庁舎。この役場近くにNUMO(ニューモ)=原子力発電環境整備機構が準備を進める「対話の場」の拠点があります。
 「神恵内村にできるNUMOの新しい事務所は、メインから少し入ったこの民家になります。NUMOは今月から内装を改築して、ここを事務所にすると話しています」(記者リポート)
 2年間で最大20億円が交付される文献調査。調査で重要視されているのが地域住民との対話です。
 「対話の場」では、調査の進捗状況や地層処分事業の説明にとどまらず、地域の将来のビジョンについても意見が交わされるということです。神恵内村の「対話の場」では、メンバーおよそ20人のうち、15人ほどはNUMOと村が産業団体や地区の代表などから選び、残る5人は、村民からの公募となりました。
 村で民宿とカフェを営む木滑雄大(きなめ・ゆうた)さん。メンバーに応募するか、迷っています。
 「意見の交換の場ではあるけど、意見が通らないという話もあるし、出る人が偏りがちになるんじゃないかという懸念はあるので」(木滑雄大さん)
 一方で「対話の場」への期待も口にします。
 「ほかの可能性を探ったりアイデアを出し合ったり、前向きに検討できる、いい悪い抜きにしてちゃんと自分たちのことも考えられる場になってくれればと思う」(木滑雄大さん)
 子ども2人を育てながら、夫婦で民宿を営む池本美紀(いけもと・みき)さんも「対話の場」に関心を寄せるひとりです。
 「任せれるもんならもう任せて進めてもらいたいなと思う気持ちもあるけど、でもこの問題には向き合っていかないといけないよな、という気持ちもある」(池本美紀さん)
 しかし、個人の思いとは別に、村の将来を考えると迷いは、増すばかりです。
 「住んでなきゃわからないこの村の疲弊感と、本当になくなっていくかなってこの村がっていうところに、この問題…ひとりの気持ちとしては嫌だし不安だなって思うけど、それを村として考えたときには、いやだってずっと拒み続けることがそれが最善なのかなっていうふうにも思う」(池本美紀さん)
 「対話の場」のメンバー応募の締め切りまであと8日です。
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