[2021_02_10_03]IDカード不正使用問題で問われる東電の適格性 花角知事「事案考慮のうえで評価を」(TENYテレビ新潟2021年2月10日)
 
参照元
IDカード不正使用問題で問われる東電の適格性 花角知事「事案考慮のうえで評価を」

 柏崎刈羽原発のIDカード不正使用問題で、花角知事は2月10日、原発を運転する事業者としての“東京電力の適格性”に関わる“保安規定”について「事案を考慮した上で評価がなされるべき」と述べた。一方、原子力規制委員会はすでに了承した“保安規定”に「影響は及ばない」との認識を示している。
 10日朝の記者会見で、花角知事は柏崎刈羽原発のIDカード不正使用問題について「基本的なところで管理ができていないということは、全体に対する信頼を失いかねない」と述べた。
 この問題は柏崎刈羽原発7号機で、発電所の所員が他人のIDカードで不正に中央制御室に入室したもの。
 東京電力のずさんな対応とともに問題となっているのが規制委員会が了承した“東京電力の適格性”に関わる“保安規定”について。
 問題が発生したのは去年9月20日。その翌日に東京電力は問題を把握し、その日のうちに原子力規制庁に報告している。
 しかし、規制庁が規制委員会の更田豊志委員長に報告したのは約4か月後のことし1月だった。
 この間に規制委員会は“保安規定”を了承。今回の問題を把握しないまま、東京電力には原発を運転するに値する“適格性”があると認めたことになる。
 これについて、花角知事は「規制委員会が“保安規定”の変更認可をした時に、その事案は考慮の中に入っていなかった。基本中の基本ができていないような管理の体制であった事をきちんと考慮した上で評価がなされるべき」と述べた。
 一方、東京で10日に開かれた原子力規制委員会の会議では、報告が遅れたことについて、事務局にあたる原子力規制庁が「報告に適切を欠きまして、大変申し訳なかったと思います。委員会への報告のあり方とか、議論していく場の設定などにつきまして、いろいろな工夫をして、またお諮りしたいと思います。」と謝罪した。
 原子力規制委員会の更田豊志委員長は、規制庁の担当部門に関して「今回の問題を軽い事案と捉えた。最初の評価が甘かった」と指摘した。
 一方で、すでに了承した“保安規定”については「影響は及ばない」との認識を示した。
 更田委員長は「もしこれを僕たちが知っていたらどうだったかと、(委員の)意見として過半数だったのは『(IDカード不正使用問題は)核物質防護の話で、“保安規定”の話ではない』というもの。“保安規定”の前提となるものを揺るがすものかというと、現時点でそう捉えているわけではありません」と述べた。
 原子力規制庁は今後、原子力規制委員会への報告に関する運用を見直していくとしている。
KEY_WORD:柏崎_他人ID不正入室_:KASHIWA_: