[2015_12_26_04]高浜3号機 燃料装填 原燃「サイクル進展期待」(東奥日報2015年12月26日)
 
 関西電力は25日、高浜原発3号機(福井県)の原子炉に核燃料を入れる作業を始めた。核燃料にはブルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)も含まれ、関電は来年1月下旬予定の再稼働時にMOX燃料を原発で燃やす「プルサーマル発電」を行う方針。プルサーマルは、使用済み核燃料からブルトニウムとウランを取り出して再利用する核燃料サイクル事業の主要工程の一つで、事業主体の日本原燃は「引き続き地元のご理解のもと、着実に進展することを期待する」とコメントした。
 高浜3号機が再稼働すれば、原子力規制委員会の新規制基準施行後、初めてのプルサーマル発電となる。3号機は10年12月から12年2月まで導入実績がある。また、関電は2月下旬に再稼働予定の4号機でもプルサーマルを実施する。
 プルサーマル再開にめどが立ったことについて、六ヶ所再処理工場などサイクル施設を運営する原燃の報道部は「将来にわたって安定的にエネルギーを確保していく上で極めて重要」と期待を寄せた。
 プルサーマル原発の一つ、大間原発は全炉心でMOX燃料を使用できる世界初の商業炉。事業者の電源開発(Jパワー)の広報室は「資源有効活用の観点から大間原発のフルMOX方式は有意義。今後も大間原発の安全性を不断に追求していく」と強調した。
 ただ、プルサーマル発電は余剰プルトニウムを減らせる一方で課題も多い。核燃料サイクルを回すために原発16〜18基での導入が必要とされるのに対し、稼働実績があるのは高浜3号機や四国電力伊方3号機など4基にととまる。高速増殖炉もんじゅ(福井県)の停滞もあり、日本が保有する、核兵器に転用可能なブルトニウムは約47・8トンに増加した。再処理工場が稼働すれば、保有量はさらに増える。
 市民団体「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の山田清彦事務局長は「プルサーマルは一般原発より、事故時のリスクが高い。地域住民の安全のため、安易な導入は見直すべきだ」と指摘した。(阿部泰起)
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