柏崎刈羽原発を襲った新潟県中越沖地震から10年(時系列順)

●初めに
 東京電力柏崎刈羽原発を襲った新潟県中越沖地震から10年が経とうとしています。東京電力はその地震からほとんどなんの教訓も得る事はありませんでした。そして、その3年半後の東日本大震災で、今度は太平洋側の福島第一原発で世界最悪の原発事故を引き起こすこととなります。この10年間の新潟県中越沖地震に関する主だった新聞記事159件を時系列順に並べたものを作成しました。この10年間の記事を読むと、会社の体質としか思えない隠ぺい体質、秘密主義、不誠実さについて、この間なんら改善されていないように感じます。今現在、最大問題である免震重要棟の耐震不足の問題は、その最たるものだと思います。
 この新聞記事のまとめが、皆さんの中越沖地震と柏崎刈羽原発の問題の理解に役立てれば幸いです。
 
※構成は●初めに、●柏崎刈羽原発の現状、●中越沖地震以前、●中越沖地震以後の4構成となります。図及び記事見出し部をクリックする事で記事全文が表示されます。記事全文が表示された状態で左矢印キーを押下すると、より新しい記事、右矢印キーを押下すると、より古い記事へと移行します。

●追加情報
項目別に整理した記事一覧「柏崎刈羽原発を襲った新潟県中越沖地震から10年(項目別)」もあわせてご利用ください。

●柏崎刈羽原発の現状
発電炉名 炉型 出力(万kW) 運転開始 運転年数 ※1 事故時の状況 ※2 事故時の状況詳細 現在の状況 ※3 現在の状況の詳細 停止開始 停止期間
柏崎刈羽1 BWR 110 1985/09/18 31年 運転中 運転中 停止中 停止中 2011/08/06 5年10ヶ月
柏崎刈羽2 BWR 110 1990/09/28 26年 停止中 定期検査中 停止中 停止中 2007/07/05 9年11ヶ月
柏崎刈羽3 BWR 110 1993/08/11 23年 停止中 定期検査中 停止中 停止中 2007/07/16 9年11ヶ月
柏崎刈羽4 BWR 110 1994/08/11 22年 停止中 定期検査中 停止中 停止中 2007/07/16 9年11ヶ月
柏崎刈羽5 BWR 110 1990/04/10 27年 運転中 運転中 停止中 停止中 2012/01/25 5年5ヶ月
柏崎刈羽6 ABWR 135.6 1996/11/07 20年 運転中 運転中 停止中 停止中 2012/03/26 5年3ヶ月
柏崎刈羽7 ABWR 135.6 1997/07/02 19年 運転中 運転中 停止中 停止中 2011/08/23 5年10ヶ月
 
※1:運転開始から現在(2017.7.1)までの年数
※2:事故とは2011.3.11福島第一原発事故、停止中は自動停止もしくは定期検査による停止中、
   廃炉中は廃炉作業中の意味
※3:現在とは2017.7.1とする。

●中越沖地震以前
 
(1)1948/06/28 福井地震(M7.1)発生
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(2)1964/06/16 新潟地震(M7.5)発生
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(3)1983/05/26 日本海中部地震(M7.7)発生
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(4)1985/09/18 柏崎刈羽1号機運転開始
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(5)1993/07/12 北海道南西沖地震(M7.8)発生
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(6)1995/01/17 阪神淡路大震災(兵庫県南部地震(M7.3))発生
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(7)1997/07/02 柏崎刈羽7号機運転開始
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(8)2004/10/23 新潟県中越地震(M6.8)発生
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●中越沖地震以後
 
(9)2007/07/16 新潟県中越沖地震(M6.8)発生
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 東京電力柏崎刈羽原発(1〜7号機、新潟県柏崎市・刈羽村)では、稼働中だった2、3、4、7号機が自動的に緊急停止した。地震発生直後の午前10時15分ごろには、3号機のタービン建屋に隣接した変圧器から火がでているのを、同社員が発見。約1時間後に駆けつけた消防署員が化学消火剤で消したが、約2時間にわたり黒煙を上げ続けた。同社は6号機から微量の放射能を含んだ水約1.2トンが、海水中に放出されたと発表した。地震によりこのような事態が起きたのは例がないという。
 同社と経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発から中越沖地震の震央までの距離は約9キロ。国内では最も原発の近くで発生した大地震とみられる。
 
新潟・長野 震度6強 8人死亡、902人けが 2人不明 多数の家屋倒壊 毎日新聞  2007/07/17

 
(10)2007/07/17 放射線量 ネット公表装置が故障
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 公表が止まっているのは、同発電所の7基の原子炉の排気筒モニター7カ所、周辺の海水モニター7カ所、大気の放射線量を監視するモニタリングポスト9カ所の計23カ所の測定値。
 
柏崎刈羽原発の放射線量 ネット公表装置が故障 朝日新聞  2007/07/17
 
原発消防「点検を」 経産相、電力会社へ指示 朝日新聞  2007/07/17
 
放射能漏れ1.5倍に修正 東京電力 朝日新聞  2007/07/18

 
(11)2007/07/18 余震分布解析で原発直下まで断層判明
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 新潟県中越沖地震(マグニチュード6.8)を起こした海底の断層は、東京電力柏崎刈羽原発のある海岸直下にまで及んでいるとみられることが、気象庁などによる余震分布の解析でわかった。同原発建設時の想定(M6.5程度)を超える地震を起こした断層が直下にあることがはっきりしたことで、運転再開に慎重な判断が求められるだけでなく、昨年改訂されたばかりの原発耐震で十分か議論も呼びそうだ。
 (前略)ただ、原発建設は直下に活断層がないことを大前提にしてきた。同原発は未知の断層が直下にあったとしてもM6.5程度までの地震しか起こさないとの想定で設計がされており、これらが揺らぐことになる。
 新潟大の立石雅昭教授は「設置許可申請時は想定外だったと思われる。早急に耐震性の評価をし直す必要がある」と話している。
 
原発直下まで断層 避難なお9000人 余震分布解析で判明 朝日新聞  2007/07/18

 
(12)2007/07/18 柏崎市長 原発の使用停止を命令
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(前略)会田洋・柏崎市長は18日、消防法に基づく緊急使用停止命令を出した。稼働再開に向けた安全性が確認できないと判断した。1-7号機のすべての貯蔵タンクなどが対象で、同日午前、同社の勝俣恒久社長を市役所に呼び、伝えた。
 (前略)同法の使用停止命令は、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」に1995年に適用されて以来で、商業炉では初めてと見られる。(後略)
 
柏崎刈羽原発 市長、使用停止を命令 東電 放射能漏れ、少なく公表 日経新聞  2007/07/18
 
社説 原発の耐震度、基準は甘く備えは薄い 日経新聞  2007/07/18

 
(13)2007/07/18 放射性物質 大気中へも
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 東京電力は17日、柏崎刈羽原子力発電所7号機(新潟県)の主排気筒から放射性物質が大気中に出たと発表した。新潟県中越沖地震の影響とみている。低レベル放射性熊襲物が入ったドラム缶約100本が倒れたり、消火用水配管から水が漏れたりするなど、同原発の1〜7号機で計50件の機器の故障や破損が見つかったことも明らかにした。想定を上回る地震の直撃で、原発の思わぬ弱点が浮かび上がった。
 
放射性物質 大気中へも 東電発表 機器故障・破損50件 朝日新聞  2007/07/18
 
地元3団体が東電に抗議 「不安上乗せするな」 「設置許可返上せよ」 柏崎日報  2007/07/19

 
(14)2007/07/19 地盤沈下で変圧器出火
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 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所3号機の建屋脇の変圧器で発生した火災は、地震で変圧器周辺が地盤沈下し、変圧器内にある電気を流す鋼帯が周辺の金属と接触したために発生した可能性が高いことが、新潟県の調査などで分かった。東電と結ぷ安全協定に基づいて県が現地調査をして確認した。この地盤沈下によって地下の消火設備も損壊し、消火活動ができなくなった可能性もあるという。
 
原発火災 地盤沈下で変圧器出火 土の上に建設 ケーブル傾く 朝日新聞  2007/07/19
 
重なる火災通報遅れ 市長「5回目ですよ」 柏崎原発に停止命令 毎日新聞  2007/07/19

 
(15)2007/07/20 活断層見逃した可能性 専門家が分析
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 東京電力柏崎刈羽原発沖合の海底活断層を見つけるため、東京電力が79〜85年に音波探査をして集めたデータを、新潟県中越沖地震後に専門家が分析したところ、東電の評価の約5倍の長さの断層が推定でき、しかも活断層の可能性が高いことがわかった。断層の見落としや過小評価という東電の当時の分析ミスによって、地震の揺れ想定を大きく超える結果になったとみられる。
 
活断層見逃した可能性 79〜85年資料 専門家が分析 長さを過小評価 朝日新聞  2007/07/20

 
(16)2007/07/20 地震計データ一部消失
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 東京電力は19日、新潟県・柏崎刈羽原子力発電所に97台ある地震計の記録のうち63台分の本震の波形データの一部が消えていたと発表した。想定を超える揺れのデータの一部が欠けたことで、安全性の解析に影響が出ることも考えられる。
 東電によると、失われたのは金7基の原発のうち、1、5、6号機にある地震計の波形データの大半だ。原発の重要機器や建物がどのように揺れたかを解析する上で必要だが、地震発生から最大で1時間半のデータが消えた。ただし、解析で重要とされる最下階の地震計のデータは全基とも残っていたという。
 地震が起こった16日、東京の本店にデータを送るための電話回線がつながらず、余震が多発したことでデータをためる記憶装置が満杯になった。.このため、はじめ記録されたデータの上に、後で起きた地震のデータが上書きされる形になった。
 
放射能放出やまず 微量「人体に影響なし」 地震計データ一部消失 朝日新聞  2007/07/20
 
「将来、壊滅的原発震災の可能性」 「耐震指針改善を」 石橋氏指摘 毎日新聞  2007/07/21
 
常駐隊なし・化学車4社・通報回線5社 原発10社 消防不備 朝日新聞  2007/07/21
 
柏崎刈羽原発 変圧器損傷さらに5基 油漏れ一部続く 立ち入り調査 朝日新聞  2007/07/21
 
放射能含む水 電線ケーブル伝い漏出か 柏崎刈羽 パッキング緩む? 朝日新聞  2007/07/23

 
(17)2007/07/24 地下浸水2000トン 放射線区域に侵入
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 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発1号機の原子炉建屋近くの地中に埋設された消火用配管が破裂し、建屋地下の電気ケーブル引き込みロに生じたたすき問から水が建屋内に入ひ、約2千トンが放射性物質がある放射線管理区域に流れ込んでいたことが23日わかった。外部と遮断された構造に設計されている管理区域が建屋外部とつながったことについて、東電は「引き込み口にすき間ができることは想定外。菅理区域内は威圧状態で、空気などは漏れず、放射性物質の外部露出はない」としている(三浦英之)
 
地下浸水2000トン 配線口にすき間 放射線区域に流入 防護に教訓 朝日新聞  2007/07/24

 
(18)2007/07/25 原子炉上クレーン破損
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 東京電力柏崎刈羽原子力発電所は24日、新潟県中越沖地震で被災した6号磯原子炉建屋の天井クレーンが破損しているのを確認した。原子炉の真上にあり、炉の格納容器や圧力容器のふたをつり上げるための大型装置で、修復の見通しはたたないという。炉内部の容器の傷や装置の状態はふたを開けて目視で確認する必要があり、地震被害の点検が大幅に遅れることは確実だ。(三浦英之)
 天井クレーンは、国の耐震設計上の重要度はA〜CのうちめBクラスで、一般健薬物の1・8倍の地震力に耐えることが求められている。過去の地震によるBグラス重要機器の損傷としては、00年に福島第一原発6号機でタービン関連の配管が破損した例がある。
 
原子炉上クレーン破損 柏崎6号機炉内点検不能に あふれる核燃プール 朝日新聞  2007/07/25

 
(19)2007/07/25 地震波軟弱地盤に集中 未知の現象の可能性
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 新潟県中越沖地震で柏崎市中心部に大きな被害が出たのは、固い岩盤で反射された波が軟弱地盤に集中する「なぎさ現象」が起きたためとする調査結果を24日、新潟大学災害復興科学センターがまとめた。なぎさ現象は、三陸はるか沖地震(94年)や芸予地震(01年)などでも起きたとされ、同センターは「地下構造の詳細な分析に基づいた防災対策が求められる」と訴えている。
 
設計想定甘く 未知の現象の可能性 地震波 軟弱地盤に集中 毎日新聞  2007/07/25
 
「原発震災」 新指針の不備、見直し急げ 石橋克彦 朝日新聞  2007/07/26
 
柏崎刈羽原発 クレーン耐震調査へ 保安院 運搬物落下懸念 朝日新聞  2007/07/26
 
震源域の海底 再調査 来月末から 読売新聞  2007/07/27
 
放射性区域 雨漏り30トン 柏崎原発 4施設、地震ですき間か 朝日新聞  2007/07/27

 
(20)2007/07/27 断層 原発の直近に 国土地理院推定
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 国土地理院(茨城県つくば市)は26日、新潟県中越沖地震を起こした断層について分析結果を発表した。隣り合う二つの断層が、北西側の岩盤がずり上がるように動いたとみている。発生直後の他機関の分析とは傾きが逆になる。地理院が正しければ、震源断層の端から東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで数キロメートルしか離れていない。
 
中越沖地震 断層 原発の直近に 国土地理院推定 従来分析と逆の傾き 読売新聞  2007/07/27

 
(21)2007/07/28 緊急対策室ドア開かず
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 東京電力は27日、新潟県中越沖地震の揺れのために拍崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)1号機の原子炉圧力容器から、放射能を帯びた水が周辺の作業用フロアにこぼれた可能性のあることを明らかにした。地震発生時、1号機は定期検査のために圧力容器のふたがあいていたためで、外部には漏れていない。あふれた水量は不明。この日、同原発を視察した社民党調査が求めた現状報告に対して明らかにした。東電は事前に把握していたにもかかわらず、これまで公表していなかった。
 
柏崎原発1号機微量の放射能 事務棟天井落ちる 緊急対策室ドア開かず 毎日新聞  2007/07/28

 
(22)2007/07/28 中央制御室 照明落下 4号機地下に海水24トン
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 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)6・7号機共用の中央制御室の天井から、蛍光灯がついた照明器具が落下していたことが28日分かった。中央制御室は原発の運転席にあたる中枢部で、運転員の負傷の可能性もあった。経済産業省原子刀安全・保安院は「東電からは報告を受けていないが、実態を調べたい」としている。
 東電は「けが人がなく原発の運転に支障は出なかった」として、落下を公表していなかった。だが、同様にけが人もなく運転にも関係のない事務本館の調埋器具の落下などは発表していた。
 
中央制御室 照明落下 柏崎原発6・7号機 4号機地下に海水24トン 毎日新聞  2007/07/28

 
(23)2007/07/28 震源 M8級断層の一部か
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 新潟県中越沖地震の震源断層が、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の北側数キロの地下で、原発北東側の内陸部にある鳥越断層とつながっている可能性があることが、東京大地震研究所の佐藤比呂志教授(構造地質学)らの研究で分かった。当初の想定より、断層が原発近くを通っている可能性があることを示す結果で、佐藤教授は「原発への影響を含め、地下構造を詳しく調べる必要がある」と指摘している。
 
「中越沖」震源 M8級断層の一部か 東大分析 柏崎原発の北数キロ 毎日新聞  2007/07/28

 
(24)2007/07/29 原発中枢部「変形も」 保安院、精査の方針
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 新潟県中越沖地震でトラブルが相次いで見つかっている東京電力柏崎刈羽原発で、経済産業省原子力・安全・保安院は原子炉の主要機器も想定外の揺れで肉眼で確認できないわずかな変形やひずみが生じた恐れがあると判断、東電に対して点検の徹底と、再稼働が可能かどうか安全評価の実施を求め、その内容を精査する方針を固めた。31日から始まる同省の調査対策委員会で具体策の検討に入る。
 
柏崎刈羽 原発中枢部「変形も」 保安院、精査の方針 2年はかかる 朝日新聞  2007/07/29

 
(25)2007/07/31 原発で世界最大の揺れか 設計想定の2.5倍 最大2058ガル観測
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 東京電力は三十日、新潟県柏崎市、刈羽村の柏崎刈羽原発の地震計で観測された新潟県中越沖地震の揺れの強さ(加速度)が、3号機タービン建屋一階の水平(東西)方向で最大2058ガルに達するなど、同原発の七基の原子炉すべてで設計時の想定を大幅に上回ったと発表した。
 東電は、原発で観測した地震の揺れの強さとしては「世界で最大ではないか」としている。今後点検が進む炉心などの安全上最重要の機器に損傷がないか、懸念される。
 3号機タービン建屋一階での設計時の揺れの想定は最大834ガルで、2058ガルはその約二・五倍。想定より約1200ガル大きかった。  2、3、4号機で設計時に想定した最大の揺れを短周期から長周期まですべてで上回り、地震波形も記録できた地震計では、七基中五基で1000ガルを超えていた。
 柏崎刈羽原発では、基礎となる岩盤のすぐ上に当たる原子炉建屋の地下五階床上で、やはり想定の約二・五倍に相当する680ガルが記録され、発生当日に公表されていた。
 
原発で世界最大の揺れか 設計想定の2.5倍 最大2058ガル観測 東京新聞  2007/07/31
 
原発検証に難題 地質複雑、前提の断層特定手間取る 中田高氏の話 朝日新聞  2007/08/03
 
傷を徹底調査 東電、地震被害確認へ 原子炉 超音波で点検 日経新聞  2007/08/03
 
全原発の耐震性 再評価を 柏崎刈羽原発調査委 班目春樹委員長 日経新聞  2007/08/06

 
(26)2007/08/07 揺れで燃料プールの水飛散 職員に付着
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 東京電力は六日、新潟県中越沖地震が起きた際、柏崎刈羽原発の使用済み燃料プールそばで作業していた隊員らに、揺れで飛び散った微量の放射性物質を含む水がかかっていたことが分かったと発表した。作業着に付着したが身体の汚染はなく、健康への影響もないとしている。
 また、同原発4、6号機の原子炉圧力容器のふたを開けるのに使う油圧駆動装置からそれぞれ200リットル、24リットルの油が漏れていることも判明。東電は「地震で配管などが変形した可能性がある」と説明。原子炉本体がある圧力容器内の点検がさらに遅れそうだ。
 一方、油が漏れた装置は直径8−9メートル、高さ6メートル、重さ30−37トン。大型クレーンでつり上げ、圧力容器のふたのボルトを締め付けたり、緩めたりするのに用いる。
 
柏崎刈羽原発 揺れで燃料プールの水飛散 職員に付着、汚染なし デリ東北  2007/08/07

 
(27)2007/08/11 キラーパルス襲う? 「阪神」で同じ現象
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 新潟県中越沖地震の際に東京電力柏崎刈羽原発が、「キラーパルス」という地震波に襲われたらしいことが、愛知工大の入倉孝次郎客員教授の分析で明らかになった。10日に開かれた国の原子力安全委員会の耐震性調査チームで報告した。阪神大震災でも起きたと考えろれている現象で、同席した東電担当者も「観測データに、その持徴があるようだ」と認めた。
 キラーバルスは、地震の際に断層が割れていった先で揺れが大きくなる現象。
 入倉さんらは同原発や周辺の390カ所で得られた地震計データを解析した。その結果、周辺の揺れを素に計算すると、原発の揺れは750ガル(ガルは加速度の単位)程度になるはずなのに、実際には1号機と5号機の地表部でそれぞれ最大加速度890ガル、1233ガルを記録し、大幅に上回っていた。
 このキラーパルスは、北西傾斜(北西落ち)の断層が海底で割れ始め、南東にある原発に向かって割れていったと考えると説明がつくという。
 
キラーパルス襲う? 柏崎刈羽原発 「阪神」で同じ現象 専門家分析 朝日新聞  2007/08/11
 
原発「こんなに揺れるのか」 「全機冷却」わいた拍手 朝日新聞  2007/08/15
 
IAEA報告書 「深刻な損傷なし」 柏崎原発 報告遅れ指摘 茨城新聞  2007/08/19
 
柏崎原発 閉鎖求める声明を発表 専門家らの会 新潟日報  2007/08/22

 
(28)2007/08/26 揺れ 全国想定の2.7倍 直下の岩盤 加速度993ガル
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 新潟県中越沖地震の際に、東京電力柏崎刈羽原発直下の岩盤で記録された揺れ(993ガル=ガルは加速度の単位)は、「事前に予測できない断層による地震への備え」として、全国の原発が共通に想定している揺れの約2.7倍だったことが東電の観測で分かった。専門家からは「中越沖地の揺れを共通の想定にすべきだ」との指摘が出ている。各原発が大幅な耐震想定の見直しを迫られる可能性が出てきた。
 原発では「解放基盤」という一定の固さの岩盤で想定される揺れを基に耐震設計をする。柏崎刈羽原発では1号機の地下255メートルに、解放基盤の揺れを測る地震計があった。揺れの強さの指標となる地震波の加速度は東西方向993ガル、南北方向753ガルだった。
 国の旧原発耐靂指針は「事前に予測できない断層による原発直下地震」への備えを全原発に求めた。電力各社はこの地震の揺れとして、解放基盤で370ガル前後を想定してきた。全国17原発中8原発で、これが耐震設計上の最大想定だった。
 
柏崎刈羽原発 揺れ 全国想定の2.7倍 直下の岩盤 加速度993ガル 毎日新聞  2007/08/26

 
(29)2007/08/31 周辺地盤10センチ隆起 専門家「直下に活褶曲」
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 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発付近から柏崎市街地までの地盤が、幅約2キロ、長さ約10キロにわたり10センチ程度隆起していたことが東洋大、名古屋大、広島工業大グループの解析でわかった。活断層に押されて地盤が曲がる活褶曲が動いたとみられるが、東電は「活褶曲はない」という前提で原発を建設、現在も見解を変えていない。研究グループは「東電の調査および国の審査の信頼性が問われる」と話している。
 グループの渡辺満久・東洋大数授らは、地球観測衛星「だいち」による地表の観測データを分析。1月16日と中越沖地震から3日後の7月19日のデータを比較し、隆起を確認した。
 同原発が地震のたびに隆起する活褶曲の上にあるという指摘は、1号機建設前から地元の研究者から出ていた。隆起が判明した地域の東縁にある活断層「真殿坂断層」や地震を引き起こした活断層などのずれによって、活褶曲が動いて地面が持ち上がったとみられる。
 
柏崎刈羽原発 周辺地盤10センチ隆起 専門家「直下に活褶曲」 朝日新聞  2007/08/31
 
柏崎原発の被災 「住民広報遅かった」 自衛消防の弱さも批判 柏崎日報  2007/09/06
 
周辺の地下探査 東電計画延長100キロ 最深1300メートル地質調査も 河北新報  2007/09/14
 
「中越沖」揺れ電力会社検証 全原発で最大想定突破 新潟日報  2007/09/21
 
東電は詳細な地殻調査せず 反原発団体が会見 新潟日報  2007/09/27

 
(30)2007/09/28 原発「設計の余裕」 想定以上も"安全宣言" 許容値は限界「3分の2」
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 解析は2段階あった。まず、柏崎刈羽原発1、4号機の最下階で記録された地震波から、原子炉圧力容器や燃料集合体など主要な設備や機器がどのぐらい揺れるかを計算し、各施設の設計時に想定した揺れと比べた=図1。日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)を除く全施設で、想定を超える部分が生じた。
 次に、想定を超えた部分では、各機器にかかる力を算出して分析した。
 機器や設備に力がかかるとひずみが生じるが、「弾性域」という範囲では力がなくなるとひずみが消えて元に戻る。弾性域を超えた力を受けると、力がなくなってもひずみが残る「塑性域」に入り」限界を超えると破壊に至る。
 原子炉圧力容器など鋼材でできた重要機器では、こうした限界(終局強度)の3分の2の力を許容値にしている=図2。
 今回の解析では、柏崎刈羽原発の揺れでも、おおむね許容値の半分程度以下の力となり、ほぼ弾性域に収まると評価された。プラスチックの定規を多少曲げても元に戻るのと同じだ。
 柏崎刈羽原発で想定を大幅に上回る揺れを受けながら、原子炉を安全に止め、放射性物質を閉じこめる基本機能が働いたのも、こうした設計余裕によるものと見られている。「想定した揺れを上回ると、すぐ壊れるような誤解が広まっている」と、心外な思いを訴える専門家は少なくない。
 
原発「設計の余裕」 想定以上も"安全宣言" 許容値は限界「3分の2」 朝日新聞  2007/09/28

 
(31)2007/09/29 建屋直下に断層21本 建設前の申請書で判明
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 東京電力柏崎刈羽原発で全七基の原子炉建屋設置場所の直下にかかる断層の数が、計二十一本に上ることが二十八日、東電が同原発建設前に国に提出した申請書などで分っかた。東電は「二十一本の断層は改定された耐震設計審査指針を踏まえても、(将来的に活動する可能性のある)活断層でないことは確認している」と説明している。
 新潟大の立石雅昭教授(地質学)は「1号機下の二本の断層は比較的新しい年代に動いたとみているので、東電と見解は異なる。これから動く断層かどうかをきちんと評価しなくてはならない」と話し、東電に詳細な調査を求めている。
 
柏崎原発 建屋直下に断層21本 東電 建設前の申請書で判明 新潟日報  2007/09/29

 
(32)2007/10/01 原発敷地内は「震度7」
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 震度6強が最大だった新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の揺れが震度7だったことがわかった。京都大防災研究所の岩田知孝教授(強振動地震学)らが、原発に設定された地震計データをもとに計算した。気象庁や自治体の「公式な震度計」ではないものの、阪神大震災や3年前の中越地震に匹敵する強い揺れが原発を襲っていることになる。
 1号機が付近が6.6、5号機付近が6.4になった。
 計測震度が6.5以上だと震度7と決まっている。
 公式な最大震度が6強だった鳥取県西部地震(00年)では、研究機関の地震計の計測震度が6.6(震度7)だった。
 
中越沖地震 原発敷地内は「震度7」 京大研試算「阪神並み」 新潟日報  2007/10/01

 
(33)2007/10/05 周辺地盤 刈羽で大きな隆起・沈下
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 三団体の武本和幸元刈羽村議らは前日、下水道事業で約10年前に刈羽村が設置した水準点を測量し、寺尾、滝谷で変動を確認。特に寺尾では約40センチの隆起と約50センチの沈下があったとした。
 柏崎刈羽原発を訪れた三団体は、この調査結果は刈羽村を通る真殿坂断層が地震の時に動いたことを示すと指摘し、「国土地理院などの観測では荒浜でも隆起は沈降があった。柏崎平野に新しい構造運動はないとした東電の主張は崩れた」と述べた。また「新潟市などの地質調査よりも、まず原発敷地内の地盤がどうなったか調べるべき。原子炉建屋、タービン建屋が傾いていないか」(後略)
 
柏崎原発周辺地盤 刈羽で大きな隆起・沈下 3団体調査 敷地の実態追及 柏崎日報  2007/10/05

 
(34)2007/10/10 原子炉上部設備に破損 柏崎7号機
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(前略)原子炉に直接つながる設備で破損がみつかるのは初めて。他号機の点検はこれから。補修も相当長期にわたりそうで、復旧作業に大きな影響を与える見通しだ。
 
原子炉上部設備に破損 柏崎7号機 亀裂から水漏れ 朝日新聞  2007/10/10
 
「1号機に傾き」地殻変動を指摘 反原発団体会見 新潟日報  2007/10/12

 
(35)2007/10/13 建屋わずかに傾く 地震後の調査
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(前略)日本建築学会の沈下限界値を十分上回り、構造上影響を与えるものではないとした。(後略)
 同原発では敷地外にある国土地理院の水準点が地震で被災したため、今回の調査は建屋に固定点を設定して相対の隆起・沈下量を求める暫定的な手法で地震前と地震後の測量数値を比較したという。
 主要建屋の傾斜変化は原子炉建屋とタービン建屋などすべてで起きており、最大の傾きは7号機原子炉建屋の北西ー南東対角線約80メートルで17ミリ。
 
柏崎原発 建屋わずかに傾く 地震後の調査 「影響なし」と東電 新潟日報  2007/10/13
 
東電 住民に初めて直接謝罪 トラブル・調査など説明 新潟日報  2007/10/17

 
(36)2007/10/19 原発炉心にも被害 制御棒抜けぬ状態
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(前略)制御棒は炉心にあり、最高の耐震性が求められる。こうした重要機器で、地震によると見られる故障が初めて。原因が変形や破損ならば、将来の運転再開論議に大きな影響を与えそうだ。
 7号機は地震発生時に運転中で、地震で全制御棒が自動挿入され緊急停止した。(後略)
 
中越沖地震 原発炉心にも被害 制御棒抜けぬ状態 朝日新聞  2007/10/19

 
(37)2007/10/24 タービン翼損傷 揺れで接触か
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 新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発の6号機で、タービンの回転翼が損傷していたことが23日分かった。地震が原因と見られる。地震発生時、6号機は定期検査中で停止していたが、稼働中に破損した場合、大規模な事故につながった恐れもある。(後略)
 地震発生当時、3、4、7号機のタービンは稼働中だった。タービンは耐震設計上の重要度は上から2番目のBクラスで、建築基準法に基づく通常の建物の1.5倍の地震力に耐える必要がある。6号機以外のタービンの点検は始まっていない。
 
柏崎刈羽原発 タービン翼 損傷 中越沖地震、揺れで接触か 毎日新聞  2007/10/24

 
(38)2007/10/25 断層半分 南東傾斜か
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 中越沖地震の震源となった断層の南半分は、日本海側が浅く陸側が深い南東傾斜の可能性が高いと、東大地震研究所のグループが、仙台市で開催中の日本地震学会で24日発表した。
(前略)グループの纐纈一起教授(強振動地震学)は、東電が原発増設の際の調査で1980年ごろ見つけ、長らく活断層と判断した断層が動いたと考えらえれると指摘。(後略)
 
断層半分 南東傾斜か 東大研究班 東電の観測記録解析 新潟日報  2007/10/25
 
浜岡原発 運転差し止め棄却 静岡地裁判決 「耐震安全性 確保」 毎日新聞  2007/10/26
 
廃炉求め 署名開始へ 市民団体 新潟日報  2007/10/26
 
新潟県中越沖地震に関する公開質問状 若狭ネット  2007/10/26

 
(39)2007/11/15 燃料集合体搬入時ずれ 地震も影響
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 東京電力は14日、新潟県中越沖地震を受けた点検作業中の柏崎刈羽原発5号機で原子炉内の燃料集合体(764体)のうち1本が引き抜けなくなった原因は、受けの金具に正しく入っておらず、地震の揺れでずれ落ちて傾いたため、と発表した。
 
搬入時ずれ 地震も影響 柏崎刈羽原発の燃料集合体 中日新聞  2007/11/15

 
(40)2007/11/15 多数の断層見落としか 柏崎原発沖70−80年代調査
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 東電が今回初めて開示したデータは2、5号機と3、4号機の増設に伴い七九、八〇、八五年に実施した延べ約千六百七十キロ分。この調査結果を基に周辺海域には一つの活断層と三つの断層があると評価。増設申請に盛り込み、国もこれを通していた。
 しかし、新潟日報社が入手したデータを見た東洋大社会学部の渡辺満久教授(地形学)は「(東電が当時評価した)各断層の延長線上にも断層が延びている特徴をデータは示しているが、東電は一部しか断層と認定していない」と過小評偶の可能性を指摘。さらに、東電が認めていない場所にも断層が存在しているとした。
 渡辺教授によると、海底の地下に断層があっても、その上部を覆う地層が軟弱な場合、断層が明確に表面に現れず、たわんだような状態になるという。そうした場所を東電は断層と認定しなかった疑いがある。
 渡辺教授は「三十年近く前の知見で十分断層と認定できたはずだ。当時の東電の評価はあり得ない。もっと問題なのはこれを見逃していた国の安全審査。専門家がこのデータを見れば必ず断層と分かるはずだ」と述べた。
 
多数の断層見落としか 柏崎原発沖70−80年代調査 国も評価を認定 新潟日報  2007/11/15

 
(41)2007/11/16 現在の知見なら断層 東電会見
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 東電は、同原発2、5号磯と3、4号磯の増設に伴い、七九、八〇、八五年に延べ千六百七十キロ分の調査を実施。周辺海域に一つの活断層と三つの断層があると評価していた。
 寺沢部長は調査について「当時の基準では(地層が波形に曲がる)褶曲構造などは断層と扱わないこととしていた。当社としては、評価は当時の知見に基づき最善を尽くしたと考えている」と強調した。
 一方、「(一九九一年の)6、7号機の設置許可以降は褶曲構造と断層との関連性が検討されるようになった」として、昨年改訂された耐震設計審査指針に沿い、地震後に東電が行った海域の地質調査について評価する中で褶曲構造と断層との関連を評価するとした。
 
柏崎原発沖・地質調査問題 現在の知見なら断層 東電会見 新潟日報  2007/11/16

 
(42)2007/11/20 タービン羽根に傷 柏崎原発4号機 12カ所、揺れで接触か
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 東京電力は20日、中越沖地震で被災し、点検中の柏崎刈羽原発4号機の低圧タービンで、金属製の羽根(最大直径4.5メートル)に削れた跡が12カ所見つかったと発表した。4号機は地震当時運転中で、タービンが高速回転する中で揺れにより隣り合う羽根同士が接触したとみられるという。
(前略)同原発では、地震当時停止中だった1、5、6号機と、運転中だった7号機のタービンですり傷や接触痕が見つかっているが、削り跡が見つかったのは始めて。
 
タービン羽根に傷 柏崎原発4号機 12カ所、揺れで接触か 新潟日報  2007/11/20
 
原発の耐震性 宮崎慶次氏 設計に余裕 石橋克彦氏 想定超え 毎日新聞  2007/11/26

 
(43)2007/12/06 原発沖断層は「活断層」 東電03年には把握 保安院 公表指示せず
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 東京電力が柏崎刈羽原発の設置許可申請に伴って行った海域調査で断層を過小評価していた疑いが強まっていた問題で、東電は五日、同原発2−5号機の設置許可申請のために一九七九年以降に実施した海底断層調査で活断層ではないと評価していた断層について、中越沖地震発生後に同原発沖合で行った同調査の暫定評価の結果、活断層と認定したことを明らかにした。暫定評価ではあるが、設置許可申請時の評価を覆したことになる。この活断層はマグニチュード6・5−7・5規模の地震を引き起こす可能性がある。
 東電はさらに、今回評価した断層を含む複数の断層を二〇〇三年の時点で活断層と把握していたにもかかわらず公表せず、報告を受けた経済産業省原子力安全・保安院も公表の指示はしていなかかった。
 
原発沖断層は「活断層」 東電03年には把握 保安院 公表指示せず 新潟日報  2007/12/06
 
活断層の過小評価 耐震性 信頼揺らぐ 柏崎刈羽 他原発でも同じ例 毎日新聞  2007/12/06
 
トップも寝耳に水 情報 現場レベル止まり 再評価 新潟日報  2007/12/07
 
柏崎原発 設置時評価際立つ甘さ 東電 活断層分布図を開示 新潟日報  2007/12/08

 
(44)2007/12/13 活断層非公表問題 市長「隠ぺい」と批判
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 東京電力が二〇〇三年に柏崎刈羽原発沖で海底活断層の可能性を認める再評価をしていながら公表してこなかった問顆で、武黒一郎同社副社長(原子力・立地本部長)が十二日、市・刈羽村と県を訪問し、「社内の情報共有が十分でなく地域の皆様に説明しないできた。誠に申し訳なく、おわびしたい」と謝罪した。会田市長は「隠ペいされていたということではないか」と厳しい姿勢で対応した。
 市役所では、吉田昌郎・原子力設備管理部長が資料を使ってこれまでの断層評価を説明。県市村がこの日、非公表の経過について安全協定に基づく調査・報告を東電に求めたことから、武黒副社長は「早急に調査したい」との考えを示した。
 会田市長は「〇三年の時もそうだが、今回の地震後の一連の動きの中でも公表されなかったのは合点がいかない」と述べた。武黒副社長は「担当部門では国に報告したことで仕事が終わったとされていて、隠ペいということではなかった。上層部にも知らされていなかった」と釈明した。
 
活断層非公表問題 市長「隠ぺい」と批判 東電副社長の謝罪に 柏崎日報  2007/12/13
 
情報非公表 東電を批判 柏崎・反原発3団体 新潟日報  2007/12/20

 
(45)2007/12/25 1号機は震度7 東電 7月末把握、公表せず
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 中越沖地震発生時、東京電力柏崎刈羽原発敷地内で「震度7」の揺れが観測されていたことが二十四日までに分かった。気象庁の観測では、同地震の最大震度は柏崎市や刈羽村などの「6強」。東電は震度を公表せず、当初は国や自治体に報告していなかった。
 震度7は阪神大震災で観測され、二〇〇四年の中越地震では川口町で観測されている。
 東電によると、同原発敷地と周辺では、地震計三台が同地震による地表の揺れの強さ(加速度)を観測。この加速度データなどを基に本店建築技術グループが七月末までに震度を算出した。それによると、1号機地震観測小屋で震度7、5号機地震観測小屋は6強、敷地に隣接したサービスホールは6強だった。
 東電は加速度などは地震直後に国などに報告。しかし震度は十月まで伝えず発表もしなかった。同原発広報部は「原子炉などの安全性に震度は関係ない。また加速度から容易に震度は算定できるので公表する必要がないと考えた」と説明している。市民団体などの問い合わせには、震度を回答していたという。
 柏崎刈羽原発反対地元三団体の矢部忠夫柏崎市議は「都合の悪いことを公表しない体質の表れだ」と話している。
 
1号機は震度7 東電 7月末把握、公表せず 新潟日報  2007/12/25
 
柏崎原発敷地内の亀裂 「断層と関連なし」 東電が調査の中間報告 新潟日報  2007/12/26

 
(46)2007/12/28 F-B断層 東電評価より10キロ長く 別の活断層も
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 東京電力が柏崎刈羽原発の設置許可申請に伴って過去に実施した海底音波探査調査の評価を覆し、活断層と認定した約二十キロの「F−B断層」は、複数の専門家による設置申請当時の調査データの分析で、東電の評価に比べてさらに十キロ以上長いことが二十七日、分かった。専門家は同時に「F−B断層」より同原発側に近い海域に別の活断層があると分析、東電の評価は依然として甘いと指摘している。
 
柏崎刈羽原発 F-B断層 東電評価より10キロ長く 別の活断層も 新潟日報  2007/12/28
 
断層権威の警告無視 名前利用「嫌気差した」 突然の辞意 新潟日報  2008/01/01
 
地質学と工学 断層評価 意識にずれ 「つくる」ために妥協許す 新潟日報  2008/01/03
 
低い問題意識 東電「断層はおまけ」 1号機の海底調査行わず 新潟日報  2008/01/04

 
(47)2008/01/05 周辺海域 東電 正断層と誤評価 2−7号機設置申請時
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 東京電力が一九七九−八五年に柏崎刈羽原発の周辺海域で音波探査による断層調査を実施した2−7号機すべての設置許可申請で、大きな地震が起こり得る「逆断層」を、比較的小さな地震を起こすとされる「正断層」と誤って評価していたことが四日、日本活断層学会会長を務める岡田篤正・立命館大教授(六五)らの分析で明らかになった。東電もこのミスを認めている。国の安全審査も誤りを見逃しており、審査体制のずさんさがあらためて浮き彫りになった。
 
柏崎原発周辺海域 東電 正断層と誤評価 2−7号機設置申請時 新潟日報  2008/01/05
 
初歩的ミス 地形学の常識を無視 国の専門家人選に偏り 新潟日報  2008/01/05
 
出来レース 「追試」重ね却下ゼロ 国と電力 あうんの呼吸 新潟日報  2008/01/06

 
(48)2008/01/06 柏崎原発1号機審査部会 国、議事録保管せず 廃棄か 検証は困難
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 中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が設計時の想定を大幅に超える揺れに襲われ、過去の安全審査に対する疑念が浮上している問題で、国が、同原発1号機を担当した審査部会の議事録を保管していないことが五日、新潟日報社の調べで分かった。同原発2−7号機のほか、1号機と同時期に行われた九州電力玄海原発など複数の他施設の担当部会議事録は残っているため、作成後に紛失したか、何らかの理由で廃棄した可能性が高い。
 
柏崎原発1号機審査部会 国、議事録保管せず 廃棄か 検証は困難 新潟日報  2008/01/06
 
「審議の過程」公開を 体制強化へ専門家も連携 縦割りに風穴 新潟日報  2008/01/09
 
「中越沖」断層問題 原発直下への延伸焦点 口を閉ざす調査委員長 新潟日報  2008/01/12

 
(49)2008/02/07 柏崎原発7号機炉内 圧力耐震許容値下回る 東電 点検評価案を掲示
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 東京電力は六日、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発7号機の建屋の点検評価計画書案をまとめ、国の作業部会に示した。また同日、1号機の設備機器の点検評価計画書を経済産業省原子力安全・保安院に提出したほか、7号機の耐震安全上重要な設備のうち地震で原子炉圧力容器内の機器に加わった力は、すべて許容値を下回るとの解析結果を公表した。
 
柏崎原発7号機炉内 圧力耐震許容値下回る 東電 点検評価案を掲示 新潟日報  2008/02/07
 
原発災害 消火、情報体制を強化 国作業部会が最終報告書 新潟日報  2008/02/08
 
中越地域は地質複雑 柏崎原発周辺専門家指摘 探査機器増強を 新潟日報  2008/02/16
 
海底断層の調査が終了 保安院 新潟日報  2008/03/05

 
(50)2008/03/05 タービンの羽根破損 柏崎原発7号機 地震との関連調査
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 東京電力は四日、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発7号機低圧タービンで、金属製の羽根(最大直径約5.3メートル)の付け根が二カ所で折れていたと発表した。同原発タービンの羽根で付け根の破損が見つかるのは地震前も含めて初めて。東電は「地震との関連を含めて原因を調べたい」としている。
 
タービンの羽根破損 柏崎原発7号機 地震との関連調査 新潟日報  2008/03/05

 
(51)2008/03/14 柏崎原発3号機 中越沖でブロック崩れる 原子炉配管に衝突
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 中越沖地震の揺れにより、東京電力柏崎刈羽原発3号機で、放射線を遮るために原子炉圧力容器周囲に設置されていたコンクリート壁の扉のブロックが崩れ、原子炉の配管にぶつかっていたことが十三日、分かった。東電が発表した。
 
柏崎原発3号機 中越沖でブロック崩れる 原子炉配管に衝突 新潟日報  2008/03/14

 
(52)2008/03/21 中越沖地震の震源断層 別の活断層と接続か 詳細な調査求める声
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 平田教授が注目するのは中越沖の震源断層のうち、北西傾斜の断層面だ。「この面の先端をたどると、長岡市にある気比ノ宮断層と地下でつながっている可能性がある」と指摘する=図参照=
 気比ノ宮断層は活断層として知られる。仮に北西傾斜の断層面とつながっていた場合、両者の間で地震が起きれば、中越沖地震よりも震源が浅く、より原発に近い場所での地震になる。
 平田教授は「次に動くとすれば気比ノ宮断層ではないか。中越沖の発生で何らかの影響を受けた可能性もあり、震源断層との関連をよく調べるべきだ」と強調する。
 
中越沖地震の震源断層 別の活断層と接続か 詳細な調査求める声 新潟日報  2008/03/21
 
私の視点 柏崎原発 全機器耐震補強を岡本芳美(工学博士) 新潟日報  2008/03/24

 
(53)2008/03/26 保安院の海底断層調査 悪天候で精度に疑問
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 東京電力柏崎刈羽原発沖で試みた高精度の海底断層調査「三次元探査」が荒天に阻まれ、空振りに終わった経済産業省原子力安全・保安院。二月に着手した理由については、三月末に東電の活断層評価が出ることを挙げ「東電の評価を正確に分析するため」と強調する。調査は結局、地下構造を平面的にとらえる「二次元」となったものの、保安院は「データは十分」とする。しかし、専門家は荒れた海上での調査精度を疑問視。運転再開に向けて調査を急いだのではないかとの憶測も呼んでいる。
 
保安院の海底断層調査 悪天候で精度に疑問 運転再開へ急いで実施か 新潟日報  2008/03/26
 
柏崎刈羽原発 東電「基準地震動」見直しへ 断層評価甘さに批判 新潟日報  2008/03/28

 
(54)2008/03/28 柏崎刈羽「M8」想定も 周辺断層再評価 東電が報告
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 M8級の地震が想定されたのは「長岡平野西縁断層帯」。国の地震調査推進本部は2004年、「連動した場合はM8級の可能性がある」と発表している。
 
柏崎刈羽「M8」想定も 周辺断層再評価 東電が報告 新潟日報  2008/03/28
 
想定地震 最大1.5倍に 東北電など 原発周辺を再評価 新潟日報  2008/03/29
 
活断層、原発は安全? 「追認」に転換 耐震性評価 朝日新聞  2008/04/01

 
(55)2008/04/03 原発設置申請 活断層の疑いあれば「存在」 審査に一貫性を 安全委
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 電力会社の原発設置申請の妥当性を判断する国の安全審査の際、周辺の活断層について、存在が疑われる場合は、存在すると想定して評価することなどを定めた審査の手引きの改定案を原子力安全委員会の検討委員会(主査、入倉孝次郎・愛知工業大客員教授)が二日、まとめた。(後略)
 
原発設置申請 活断層の疑いあれば「存在」 審査に一貫性を 安全委 新潟日報  2008/04/03

 
(56)2008/04/11 柏崎原発7号機 配管強度評価で誤り 東電 計算プログラムに不備
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 東京電力は十日、中越沖地震を受けて実施した柏崎刈羽原発7号機原子炉配管の構造強度評価計算にミスがあったと発表した。地震の際に配管分岐部にかかる力を二カ所で小さく見積もり、経済産業省原子力安全・保安院の地震の調査対策委員会作業部会に提出していた。原子炉メーカーの日立GEニュークリア・エナジーの計算機プログラムにミスがあっためとしている。
 保安院は同月、他号機も含め再計算し、再発防止策と合わせて今月末までに報告するように指示した。東電によると、7号機建説時の計画書や、4、5号機改造工事の申請書などが誤っている可能性があるという。
 誤りは、東電が同作業部会に報告した数値が、独立行政法人「原子力安全基盤機構」の計算と異なっていたため発覚。配管自体の重さの計算方法を誤っていた。
 
柏崎原発7号機 配管強度評価で誤り 東電 計算プログラムに不備 新潟日報  2008/04/11
 
日立 原発配管強度 計算ミス 読売新聞  2008/04/11

 
(57)2008/04/17 保安院 原発に複合災害対策
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 経済産業省原子力安全・保安院は十六日、地震などの自然災害と原子力災害が同時に起きる「複合災害」対策のガイドラインを2008年度内にまとめる方針を明らかにした。(後略)
 複合災害対策は、同省の原子力防災小委員会で、検討する。保安院では「基本的に複合災害は起きないという立場だが、中越沖地震で関心が高まっているので万が一のため」と説明している。
 
保安院 原発に複合災害対策 調査委委員長 柏崎の年内再開言及 新潟日報  2008/04/17
 
柏崎原発 断層評価の甘さ指摘 国作業部会「長さ」に異論 新潟日報  2008/04/19

 
(58)2008/04/22 東電の評価不十分 F-B断層 渡辺教授が意見 県原発小委
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 東京電力柏崎刈羽原発の安全性をチェックする県「原発の安全管理に関する技術委員会」の「地震・地質」小委員会が21日新潟市中央区のビルで開かれた。同原発沖にあり、中越沖地震の震源断層につながる可能性のある「F−B断層」の長さに閲し、東電の評価は不十分とする東洋大の渡辺満久教授を招いて議論したが、意見はまとまらなかった。
 渡辺教授は東電の評価について「海底地形は連続しているのに、途中で活断層が切れるという東電の見解はおかしい」と指摘。断層は東電が示した30キロより長く、50-60キロの可能性があるとした。また「設置許可申請時に活断層を見逃したのが問題。東電よりも専門家に責任がある」と国の安全審査を批判した。
 これに対し、安全審査にかかわった東京工大大学院教授の衣笠善博委員は、渡辺教授が活断層があると指摘する地下構造について「たわみが見られるのはかなり古い地層。新しい部分にたわみはなく、そこに活断層はない」と反論。ただ、安全審査については言及しなかった。
 
東電の評価不十分 F-B断層 渡辺教授が意見 県原発小委 新潟日報  2008/04/22
 
柏崎原発訴訟 上申書月内に再提出 住民側最高裁へ 断層評価が不十分 新潟日報  2008/04/24
 
司法判断と現実に落差 中越沖 地震動 想定の2倍強 新潟日報  2008/04/26
 
国側の新データ出ず 争点化回避も"戦術" 法廷の限界 新潟日報  2008/04/26
 
「お墨付き与えたのか」 判決下した裁判長自問 柏崎原発1号機訴訟 新潟日報  2008/04/26

 
(59)2008/05/02 「行政判断を尊重せよ」 ちらつく最高裁"見解" 日本の裁判官
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 裁判官の世界では戦前から、「会同」と呼ばれる会議が開かれてきた。全国各地から裁判官たちが一堂に会し、判断の難しいテーマについて意見を交換、実務に生かすことを目的とする勉強会という位置付けだ。
 ある元裁判官は一九八〇年代後半、東京都内であった会同での光景を印象深く覚えている。最高裁という存在について考えさせられたからだ。
 会場の意見交換は最終盤を迎えていた。最高裁の担当幹部が議論を引き取る形で「一つの参考として申し上げます」と"見解"を語り始めた。すると、それまで聞くだけだった出席者たちが一斉にメモを取り始めたのだ。
 柏崎刈羽訴訟の一審で裁判長を務めた小野寺規夫。数回の出席経験を通じて、会同がはらむ問題を同様に感じている。「会同で出た通りの判決を出した人もいる。結果的に最高裁の言いなりのように映る」
 会同ではもちろん、原発裁判も扱われた。最高裁事務総局が柏崎刈羽訴訟一審判決が出る三年前、九一年にまとめた「府政事件担当裁判官会同概要集録」。そこにはこんな項目があった。
 「原発などの安全性の審理方法をどう考えるべきか」
 そして次のような"見解"が記されていた。
 「裁判所は、高度な専門技術的知識のあるスタッフを持つ行政庁のした判断を一応、尊重して審査に当たるべきである」
 
「行政判断を尊重せよ」 ちらつく最高裁"見解" 日本の裁判官 新潟日報  2008/05/02
 
裁判官の苦悩 難解な技術論に不安も 新潟日報  2008/05/02
 
最高裁の関心 「劇的変化」をどう判断 新潟日報  2008/05/04

 
(60)2008/05/05 柏崎原発7号機 「耐震裕度」を図式化 保安院
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 東京電力柏崎刈羽原発が中越沖地震で設計時の想定を大幅に上回る揺れに襲われたことを受け、経済産業省原子力安全・保安院は、地震の揺れに対して原発機器類の安全性が保たれれる範囲に該当し、設計上の余裕を示す「耐震裕度」の模式図作成に初めて取り組んだ。重要機器類で地震による深刻な損傷が、現時点で見つかっていないとされる同原発。その最大の理由として挙げられている「耐震裕度」を分かりやすく解説するのが狙いだ。
 
柏崎原発7号機 「耐震裕度」を図式化 保安院 機器の安全範囲示す 新潟日報  2008/05/05
 
原発「耐震裕度」 鋼材強度 揺れの大きさ 設計不確定要素見込む 新潟日報  2008/05/05
 
「原発沖 別の活断層」 県安全技術地質小委 委員が分析結果 新潟日報  2008/05/20
 
運転再開日程示す文書 柏崎原発 東電が作成か 新潟日報  2008/05/21

 
(61)2008/05/23 想定地震動2280ガル 最大値 従来の5倍基準地震動
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 東京電力は22日、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発周辺で、将来起こり得る最大地震の揺れの強さを示す基準地震動(加速度=単位ガル)を最大で2280ガルに設定したと発表した。従来の450ガルから最大5倍に引き上げ、中部電力浜岡原発の800ガルを大幅に上回り国内最大となった。同日、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。
 基準地震動は、原発地下にある一定の硬さの地層(基盤)面で設定する。1−4号機を2280ガル、5−7号機を1156ガルに見直した。これらの値を基に原子炉建屋が立つ岩盤(基礎版)上での揺れを算定した結果、543-829ガルとなった。
 今回の見直しは過去の想定の甘さを認めたものともいえる。中越沖地震前まで、原発の耐震安全性は十分と繰り返してきた国や電力会社の姿勢があらためて問われそうだ。
 
柏崎原発 想定地震動2280ガル 最大値 従来の5倍基準地震動 新潟日報  2008/05/23
 
社説 原発基準地震動 安全性の論議を徹底せよ 新潟日報  2008/05/24

 
(62)2008/06/03 「F-B断層が震源」 東電 刈羽で住民説明会
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(前略)住民からは「(活断層の長さに関する県などの)審議が途中なのに、東電が基準地震動を決めるのは問題」との意見が出た。
 
「F-B断層が震源」 東電 刈羽で住民説明会 新潟日報  2008/06/03
 
「基準地震動」国の検討本格化へ 断層帯評価に早くも疑問符 新潟日報  2008/06/04
 
原子力安全基盤機構 軟らかい地層 揺れ増幅 中越沖 柏崎原発被災 新潟日報  2008/06/07
 
断層の長さ議論 柏崎原発地質小委 結論は持ち越し 新潟日報  2008/06/12
 
原子力産業の実相 二つの神話 傷が付いても「新品」 新潟日報  2008/06/19
 
原子力産業の実相 ムラ社会 内向き姿勢 問題拡大 新潟日報  2008/06/21
 
高精度調査は不要 保安院 国の部会に報告 柏崎原発沖海底断層 新潟日報  2008/06/28

 
(63)2008/07/25 塑性ひずみ発生否定 県技術委東電報告 委員からは反論、疑義
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 地震の影響で配管がゆがんで元の形に戻らない塑性変形について、東電は金属の硬さを測る方法で確認した結果、「強度に影響を与える塑性ひずみは発生していない」と報告。
 これに対して、委員の金属材料学者らから「仮に軽度の塑性変形だったとしても寸法が変わり、応力やひずみが集中する部分が変わっている可能性もある」「そもそも硬さ測定は精度が鈍く、有効性には疑問だ」といった反論や疑義が相次いだ。
 
塑性ひずみ発生否定 県技術委東電報告 委員からは反論、疑義 新潟日報  2008/07/25
 
原発審議状況 保安院が報告 「地域の会」定例会 新潟日報  2008/08/07
 
柏崎原発 基準地震動 再計算へ 断層延長 保安院見解受け 新潟日報  2008/08/08
 
「緊急時対策室」の耐震基準引き上げ 保安院方針 新潟日報  2008/08/13
 
柏崎原発地殻変動 測量の結果を説明 県「地質」小委で東電 新潟日報  2008/08/27
 
耐震安全性検討慎重に 柏崎原発・県技術委 新潟日報  2008/09/10
 
地盤を現地調査 県技術委が原発周辺視察 新潟日報  2008/09/18
 
柏崎刈羽6,7号機 タービン動翼損傷 蒸気逆流が原因 毎日新聞  2008/09/20

 
(64)2008/09/23 柏崎原発 基準地震動最大2300ガルに
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(前略)基準地震動について、最大で従来の2280ガルから2300ガルに引き上げたと発表した。経済産業省原子力安全・保安院が8月、同原発沖の「F-B断層」を東電より2キロ長い約36キロと評価したことを受け、見直した。同日、保安院に報告した。
 
柏崎原発 基準地震動最大2300ガルに 新潟日報  2008/09/23
 
柏崎刈羽7号機 機器の健全性維持 保安院が報告書案示す 水漏れ対策 新潟日報  2008/09/26
 
地元反対派が現状報告 柏崎原発の閉鎖訴える科学者ら 東京で集会 新潟日報  2008/09/29
 
国、最高裁に反論書 柏崎原発上告審 早期棄却求める 新潟日報  2008/10/17
 
気水分離器仮置用脚部及びガイドピンの変形 新潟県  2009/02/10
 
原発の耐震安全性を考える_柏崎の教訓を踏まえて 都市問題  2009/11/01

 
(65)2011/03/11 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震(M9.0))発生
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(66)2011/03/12 長野県北部地震(M6.7)発生
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長野北部震度6強 中日新聞  2011/03/12
 
全原子炉停止 総点検を 石橋克彦・神戸大学名誉教授地震学 毎日新聞  2011/03/13
 
どうする原発行政 広瀬隆氏 まず止めて総点検 依存政策 転換を 東京新聞  2011/03/21
 
新潟県中越沖地震に関する委員会_WG 旧保安院  2011/04/01
 
柏崎原発 「基準地震動見直し必要」 立石元教授 柏崎日報  2011/04/12
 
金子勝 想定外なのか データなぜ非開示 神話の陰に馴れ合い 中日新聞  2011/04/26

 
(67)2011/06/08 新潟で震度5強
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(前略)新潟県十日町市で震度5強の地震があった。関東や東北南部でも揺れを感じた。
 東京電力によると、新潟県の地震で柏崎刈羽原発に異常はなく、運転を続けている。
 気象庁によると、震源地は新潟県中越地方で、震源の深さは6キロ。震源の規模はマグニチュード(M)4.7と推定される。(後略)
 
新潟で震度5強 静岡新聞  2011/06/08

 
(68)2011/06/30 松本地震(M5.4)発生
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(69)2011/08/19 真殿坂断層など見直し申し入れ 反原発三団体が東電に
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(前略)地元反原発三団体は19日、東電がいずれも活動性を否定しているこれらの断層の評価を見直すよう同社に改めて申し入れた。
 調査対象は、周辺から敷地内まで延びる真殿坂断層や敷地直下の断層。同原発を訪れた矢部忠夫市議、武本和幸元刈羽村議らは、活動しないとされた福島県内の断層が4月の地震で地表に出現したことを取り上げ、「この事実を踏まえれば真殿坂断層なども見直しが必要であり、動くことを前提に考えるべきだ」とただした。(後略)
 
真殿坂断層など見直し申し入れ 反原発三団体が東電に 柏崎日報  2011/08/19
 
真殿坂断層など 東電「活動性なし」 県技術委小委は納得せず 柏崎日報  2011/08/31
 
津波に耐えた原発 女川 建物補強 改善重ねる姿勢を重視 東奥日報  2011/09/01
 
県内施設安全性を問う2 東通原発 免震棟なし 大間は免震構造を採用 東奥日報  2011/12/16
 
みんな気づいているだろうか 地震防災が原発の妨害を受けていることを よせ新聞  2012/02/28
 
免震棟9原発で未整備 大飯は15年に完成予定 福井新聞  2012/06/14
 
どこが「国民の生活のため」なのか 山崎久隆 よせ新聞  2012/06/15

 
(70)2012/10/18 9千年間に26回大津波 新潟・佐渡島に堆積物 柏崎刈羽原発に到達か
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 新潟県・佐渡島に過去9千年間で少なくとも26回の大津波が押し寄せた可能性があることが卜部厚志新潟大准教授(地質学)の堆積物調査で17日、分かった。平均間隔は350年、津波の高さは5メートル以上と推定しており、太平洋側に比べ、調査が進んでいない日本海側の地震や津波の実態を解明する貴重な研究成果となる。
 卜部准教授は「対岸の東京電力柏崎刈羽原発周辺にも津波が到達した可能性がある」としており、東電が目指す再稼働や、沿岸の防災態勢にも影響を与えそうだ。
 日本海側は18世紀以前の文献が非常に少なく、沿岸には砂丘が発達して津波の痕跡が残りにくい。これまで津波堆積物もほとんど調査されていなかった。
 
9千年間に26回大津波 新潟・佐渡島に堆積物 柏崎刈羽原発に到達か 東奥日報  2012/10/18

 
(71)2012/12/13 燃料棒同士接触し運転 柏崎刈羽 溶融事故の恐れも 94〜00年
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 この問題では、これまでに十八体の核燃料で通水菅の曲がりが見っかった。曲がりが大きい二体を東電が詳細に調べたところ、うち一体で曲がった通水管に押される形で、核燃料棒が数ミリ曲がり、隣の核燃料棒に接触していたという。核燃料棒同士が接触したまま運転すると、熱が偏ってうまく冷却できず、核燃料棒が損傷する恐れがある。接触部はたまたま核燃料の上部で、ウランが入っていない部分だったため、損傷ばなかったという。
 
燃料棒同士接触し運転 柏崎刈羽 溶融事故の恐れも 94〜00年 東京新聞  2012/12/13

 
(72)2013/01/24 柏崎刈羽 活断層か 原子炉直下に複数存在
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 原子力規制委員会が原発の新安全基準で活断層の定義を拡大することを受け、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)直下を走る複数の断層が活断層と判定される可能性が高まることが東電の公表資料などから23日分かった。東電は断層の活動年代の地質調査を進めているが、活断層の可能性が高まれば停止中の同原発の再稼働ば困難になる。
 規制委が22日示した新基準骨子案では活断層の定義を従来の「13万〜12万年前以降に活動した断層」から「約40万年前以降」に広げた。同原発直下でこれまで確認されていた断層が新たに広げた年代に含まれるとみられる。骨子案ば活断層の真上に原子炉を設置してはならないと明記。東電によると、1、2号機直下にはα断層、β断層があり、3号機と5〜7号機直下にも複数の断層がある。
 
柏崎刈羽 活断層か 原子炉直下に複数存在 静岡新聞  2013/01/24
 
新規制基準は安全守れるか 地震・津波想定は裁量次第 毎日新聞  2013/04/30
 
二つの司法判断 高浜と川内、何が違うのか よせ新聞  2015/04/30
 
永長東海地震、康和南海地震 各地で火山噴火 日本海側では大津波も 東奥日報  2015/07/21
 
東電・吉田昌郎の功罪_その生涯を追って見えてきたもの 東洋経済  2015/08/09
 
申請の11原発 免震機能省く 事故対策拠点 川内審査受け縮小 東京新聞  2016/02/07
 
原発 免震棟 簡易施設で審査パス 「川内」先例 コスト抑える 東京新聞  2016/02/07
 
東電旧経営陣 強制起訴 未曽有の災害 大津波試算、対策先送り 東奥日報  2016/03/01
 
津波“無策3兄弟"の罪 東電元幹部初公判 アエラ  2017/06/28

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